【プレイバック’94】「服は?」昼間からあられもない姿で踊りまくる…「コギャル裏パーティ」の実態

AI要約

「FRIDAY」が30年前に報じた1994年の記事を振り返る。女子中高生が開いた狂乱の裏パーティに潜入し、舞台裏や販売方法、参加者の実態に迫る。

パーティでのカツアゲと規模の大きさに驚く。女子中高生が自らをパーティ屋と称し、パーティで儲けるために活動していた当時の様子が明かされる。

「コギャル」ブームが巻き起こり、若い女性たちがパーティを通じて社会的な権力やお金を手に入れようとしていた時代の空気感が垣間見える。

【プレイバック’94】「服は?」昼間からあられもない姿で踊りまくる…「コギャル裏パーティ」の実態

10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックをいまふたたび振り返る【プレイバック・フライデー】。今回は30年前の1994年7月8日号掲載の「狂乱〝裏〟パーティ 丸裸コギャルのアブナイ『性態』」をお届けする。

本誌はこの前々号で、高校生たちがとあるディスコを借り切って開いていたパーティに潜入。そこでは女子中高生がまっ昼間からあられもない姿で踊りまくっているという信じがたい光景が繰り広げられていた。この記事ではそんなパーティの舞台裏を都内でも有名だという遊び人女子高生3人組に聞いている。中学時代からパーティに参加していた彼女たちは自らを〝パーティ屋〟〝イベント屋〟と称していた(以下《 》内の記述は過去記事より引用)。

◆パー券の販売は〝錬金術〟

《「パーティをやる目的は、おカネと有名になること。ハコ代(ディスコの会場費) は、午後3時~6時で30万円ぐらい。この間やったパーティは170万円ぐらい儲かったよ。来たのは600人ぐらいだけど、パ―券は倍ぐらい売れた。知り合いに1枚1000~3000円ぐらいで、10枚とか30枚とか買ってもらうの。たまに5千円ぐらいで買わされるコもいるみたいね」》

イベント主催者にとってこの当時パー券の販売といえば、ちょっとした〝錬金術〟。だが、実際の販売方法は〝カツアゲ〟と大差ないようなケースも多かったようだ。

《「あたし、中学生のとき先輩にパー券10枚20万円分押しつけられたことがあるの。でもそんなに売れないから、母親の財布から盗んで払ったけど。昔は〝渋谷3原則〟っていうのがあって、道で目が合った女のコにケンカを売って『パー券、ボコり(ボコボコにすること)、おカネ、どれがいい?』って脅すわけ。大抵、『パー券でお願いします』って謝るから、『じゃあ20万円持ってこい』って押しつけちゃう」》

もっとも警察もうるさくなってきたとかで、このような荒っぽいやり方は見かけなくなったということなのだが……。ところで、下着丸出しやさらに過激な姿で踊っているコギャルたちは、ストリッパーでもなければ風俗嬢でもない正真正銘の女子中高生だという。現場を取材した時にはあくまで場を盛り上げて、自分たちも楽しむためにやっているとのことだった。パーティの間は酒もドラッグもやらずにひたすら踊って騒ぐだけだったのだが、実態はどうなのだろうか。

《「たまにクスリやってるコもいるよ。ガンジャ(マリファナ)を席で堂々とやってたりね。さすがにコークとかスピードはトイレで隠れてやってるけど、まあ、そんなコはホントに少ないよ。店内で肉体関係? あたしの友達の女のコではいないな。男のコで1日に3人やったなんていうコもいるけど、ナンパして家に連れ込んでっていうのが多いよ。でも、ほとんどのコはパーティで知り合いに会って顔売って、ただ踊って騒ぐだけ。どれだけ顔がきくかっていうのが〝権力〟だからね」》

しかし、これだけの規模のパーティを女子高生だけで仕切るのは、やはり大変ではないのだろうか。

《「何かトラブルがあったら先輩が出てくれる。おカネのことでモメたり、男のコのケンカがあったりとか、やっぱり、1人じゃ何にもできないもん。でも、昔はちゃんとした“バック”が必要だったけど、今はなくても何とかなる。〝パーティ潰し〟とかいってチームが乱入することもあんまりないし」》

やはりそれなりの〝オトナ〟のサポートはあるようだ。抵抗なく大人とつきあえるコギャルたちは、いま=女子高生である間しかない自分たちの価値も客観的に把握している。3人の中の1人、〝女子高生の女王〟とアダ名されるコがつぶやいた。

《「友達がパーティで儲けてクルマを買ったの。あたしも大学生になるまでにガンガン稼いでしっかり貯金しよう」》

そもそも「ギャル」は’80年代には「ピチピチギャル」「イケイケギャル」のように、若い女性全般を指していた。’90年代に入って「ギャル」の真似をして年齢を偽ってクラブに出入りする女子高生たちを「コギャル」と呼び始めたのがコギャルの由来だという説がある。現在、われわれが持っている「ギャル」のイメージの多くはこの「コギャル」が元だ。1994年はそんな「コギャル」がブームを起こした年でもあった。

当時、高校生が企画して、ディスコやクラブを借り切り、身内だけで集まるようなパーティはかなり行われていたようだ。午後3時に始まり、6時には終わることから〝サブロク〟とも呼ばれていた。大学生が〝ダンパ〟と称してパーティを行うことはこれ以前からよく行われていたことだが、パーティの主役はもはや高校生だったのだ。

オトナたちがバブルのツケを払わされて元気がなかったこの時代だったからこそ、優等生も不良もブルセラ女子高生も、あらゆる女のコが〝女子高生〟(中には中学生もいたようだが)という肩書きだけで盛り上がることができたのかもしれない。