新しい世界遺産が続々と誕生!インド・ニューデリー世界遺産委員会リポート 第一回

AI要約

世界遺産委員会がニューデリーで開催中。新たな世界遺産が生まれる現場をスタッフがリポート。

バーラット・マンダパムでの会議には1000人以上が参加。修道院の登録と危機遺産指定が行われる。

モイダムと聖ヒラリオン修道院が世界遺産に登録される。新たな世界遺産候補の審議が進行中。

新しい世界遺産が続々と誕生!インド・ニューデリー世界遺産委員会リポート 第一回

新しい世界遺産を決める国際会議=世界遺産委員会が、インドのニューデリーで7月21日から開催されています。これは年に一回、世界各地の世界遺産のある都市(つまり固定されておらず、毎年、違う都市で開催)で夏に開かれる国際会議で、ユネスコ世界遺産センターとパートナーシップを結んでいる番組「世界遺産」は、この世界遺産委員会にオブザーバーとして毎回スタッフが参加しています。そのスタッフが見た「新しい世界遺産が生まれる現場」のリポート第一回です。

■パレスチナ自治政府が緊急提案した修道院 世界遺産登録と同時に「危機遺産」に

デリーでの会議場となったのが、バーラット・マンダパムという昨年完成したばかりの巨大なコンベンション・センター。広大な敷地にいくつもの展示場やホールが点在し、G20サミットも開かれたところです。世界遺産委員会も世界各国から1000人以上が参加する大きな国際会議で、会場の規模や同時通訳などの設備が必要なのですが、その点、このバーラット・マンダパムは十分すぎるほどの施設です。

世界遺産委員会ではすでに世界遺産になっているものの保全状況などのチェックも行い、その価値が危うくなっているときには「危機遺産」に指定して改善を促すこともします。会期の前半は、こうした危機遺産関係の審議が行われ、26日からいよいよ新しい世界遺産の審議が始まりました。

まず審議されたのが、今年の世界遺産委員会の開催国インドが推薦した「モイダム アーホーム王朝の墳墓システム」。13世紀から19世紀にかけて東インド・アッサム地方で栄えたアーホーム王国の、モイダムと呼ばれる古墳群で、90基も残っています。自然の地形を生かした独自の建築様式と、王国が存在した証として、世界遺産への登録が決まりました。

次に審議されたのが、パレスチナ自治政府が緊急提案した「聖ヒラリオン修道院/テル・ウム・アメール」。この修道院はイスラエルが侵攻を続けるガザにある古代の都市遺跡群テル・ウム・アメールのひとつで、世界遺産に登録されるのと同時に保全が危機的状況にある危機遺産に指定されました。