Mrs. GREEN APPLE「炎上曲」のライブ動画公開に違和感。“類人猿MV”だけが問題だと思っていたのか?

AI要約

7月25日、Mrs. GREEN APPLEが日本コカ・コーラ社のキャンペーン「Coke STUDIO」への参加を見送ることを自身のオフィシャルサイトで発表しました。新曲「コロンブス」の類人猿MV騒動を受けての対応と思われます。

同日にバンドは問題となった「コロンブス」のライブ動画を公開し、スタジアムツアーでのパフォーマンスがファンには嬉しいサプライズとなった。

しかし、白人が類人猿を教化する設定のMVに違和感を感じ、楽曲自体に問題はないと考える中での動画公開に疑問が残る。

Mrs. GREEN APPLE「炎上曲」のライブ動画公開に違和感。“類人猿MV”だけが問題だと思っていたのか?

 7月25日、Mrs. GREEN APPLEが日本コカ・コーラ社のキャンペーン「Coke STUDIO」への参加を見送ることを自身のオフィシャルサイトで発表しました。イギリスBBCなども報じた新曲「コロンブス」の類人猿MV騒動を受けての対応と思われます。

 その一方で、同日にバンドは問題となった「コロンブス」のライブ動画を公開しました。

 4日間でおよそ15万人を動員したスタジアムツアー「Mrs. GREEN APPLE ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~」でのパフォーマンスで、ファンにとっては嬉しいサプライズとなったようです。

 けれども、この決断には少なからず違和感が残ります。なぜなら、間違っていたのは白人が類人猿を教化するという設定のMVであり、曲自体に問題はないと認識しているように感じるからです。

 もしそういう気持ちで今回の動画公開に至ったのであれば、かなりナイーブであると言わざるを得ません。

 そもそも「コロンブス」というタイトルをつけて、ポジティブなメッセージを発したり、明るいポップなサウンドを展開する行為自体、今の時代においては相当に無知であるか、そうでなければ挑発的になってしまうと理解していなければならないのです。

 2020年、黒人男性のジョージ・フロイド氏の死をきっかけに、全米でコロンブス像の破壊が相次ぎました。先住民に対する非道な扱いや、植民地化の過程で起きた残虐な悲劇が改めて白日のもとにさらされたのです。

 もちろん、そうした悲惨な歴史とアメリカ合衆国の繁栄は表裏一体の関係であり、すべてをなかったことにして歴史を修正するわけにはいきません。

 ひとつ確かなことは、これからコロンブスというワードで何らかを表現する際には、否定的な教訓を含まざるを得ないのです。

 つまり、本曲MVの類人猿がまずかったかどうかを議論する以前の問題なのですね。