このブルーの正体はヨギボーじゃないですかね?【みうらじゅんの映画チラシ放談】『ブルー きみは大丈夫』『SCRAPPER/スクラッパー』

AI要約

映画『ブルー きみは大丈夫』のチラシを見て、アルフォートブルーについて熱く語るみうらじゅんさんのお話。

作中のストーリー予想として、プーが思い出のぬいぐるみを派遣してくるファンタジードラマになりそう。

ヨギボーとの提携もあり、ブルーとヨギボーが大事な思い出を呼び覚ます不思議な物語に期待。

このブルーの正体はヨギボーじゃないですかね?【みうらじゅんの映画チラシ放談】『ブルー きみは大丈夫』『SCRAPPER/スクラッパー』

みうらじゅんさんの前に近々公開される映画のチラシを大量にお持ちして、グッとくるチラシを厳正にピックアップ。映画本編は観ていないので事前知識はほぼゼロ、頼りになるのはチラシ内の情報(と妄想)だけという状態で語っていただく、言いっぱなしの映画チラシ放談です。(ぴあアプリ「みうらじゅんの映画チラシ放談」より転載)

――今回の1枚目のチラシは、ライアン・レイノルズ主演のファンタジードラマ『ブルー きみは大丈夫』です。

みうら 実はね、6年ぶりにいとうせいこうさんと『見仏記』っていう連載を再開したんですよ。noteというサイトでね。

それで今回は滋賀県のお寺を巡ったんですが、仏さんの前に供えてあるのがブルボンのアルフォートが多くてね。それも袋詰めされた大量に入ってるやつで。いやぁ、その包装している袋の色が頭に焼きついちゃって。今では、“アルフォートブルー”って呼んでるんですよ(笑)。

ブルーといえばフェルメールブルーとかキタノブルーとかいろいろありますけど、アルフォートブルーは色が深いんですよね。

――確かに、あらためて見てみると吸い込まれそうな青ですね。

みうら でしょう! で、お供えされたアルフォートを、参拝を終えた後に村の人たちがごっそりくれたんです。だから、僕らはアルフォートの袋を持ちながら次の寺へと回ったんですけどね。

その夜、滋賀県の旅館でいとうさんとアルフォートブルーについて3時間近く語り合いました。それをビデオに撮って配信してますので、よろしかったら見てください。

こないだ安住(紳一郎)さんのラジオ番組に出たときもアルフォートブルーについて熱く語ったんですが、その時、安住さんが「ニベアブルーもいいですよね」って言うんです。確かにニベアの入れものも濃いブルーで、アルフォートにかなり近いんです。

でも安住さんは、最近ニベアのブルーが変わったと言うんです。その後、量販店に確かめに行ったんですけど、確かに僕らが知ってるニベアの缶のブルーが、水色っぽくなってました。

――今、画像検索で新パッケージと旧パッケージを比べてるんですけど、確かに違いますね。

みうら 色が明るくなったというか。どうしてニベアブルーを薄くしたんですかねぇ。そんなことばかり最近考えているので、当然この映画のタイトル『ブルー きみは大丈夫』が気になったもんで選んだんです(笑)。

――つまりどんな映画なのかは……。

みうら まったく知りません! でもこのチラシに写ってる青いやつがブルーって名前で、主人公なことは何となく分かりますよね。

――コピーの文言を見る限り、みうらさんがよく話している『プーと大人になった僕』っぽい感じがありますね。

みうら ですね。子どもの頃に遊んでいたぬいぐるみたちが突然、大人になってから訪ねてきて、「遊ぼうよ、また昔のように遊ぼうよ」って言うやつです。

「忘れていた大切なものに」ってコピーにありますしね。ということはこの三大テノールのひとりみたいなおっさんが忘れてしまっていた大切なものを「ブルー」によって思い出すってストーリーでしょう。

お父さんは仕事が忙しくて、世界各国を回ってるんでしょう。だからあまり家にいたことがない。娘さんも寂しい思いをしてた。でもテノールの声帯がちょっとおかしくなって、仕事を休まなくちゃならなくなる。それで家に久しぶりに帰ってくる。そのとき、おせっかいな、いや、このキャラ、ブルーが訪ねてくるんでしょうね。

あれ? 右の上にいるやつはプーじゃないですか? なるほど、今度はプーが新しい使者ブルーを送り込んだってわけですね。

――プーが黒幕で、あちこちに思い出のぬいぐるみを派遣してるんですか?

みうら プーは“思い出派遣会社”の社長ですから。そうそう、このブルーの正体はヨギボーじゃないですかね?

――確かに。チラシでももう寝転がってますし。

みうら うちもヨギボーを買ったので間違いありません。厳密に言うと、ヨギボーのカバーがブルーのやつです。ヨギボーとこの映画が提携してるっていう情報は、このチラシのどこかに載ってませんか?

――載ってないみたいですけど、ありえなくはないですね。

みうら このチラシのオモテの写真はね、娘とデパートに行ったときのものですよ。ヨギボー売り場のところで寝っころがってみたんだと思います。娘が欲しいと言うもんで購入したんでしょうね。でも送られてきたのはヨギボーじゃなく今回の主人公ブルーだった。

たぶんこのブルーに寝っ転がると、忘れていた大切な思い出が蘇る。そんな不思議なヨギボー話じゃないですかね。

ちょっと気になるのは、タイトルの「きみは大丈夫」ってところなんです。おそらくブルーのシートを汚してしまうんじゃないでしょうか?

――この娘さん、寝っ転がりながら靴を履いてますね。

みうら ダメですよ、靴は脱がないと(笑)。コピーに「かつて子供だったすべての人に贈る」って書いてありますから、間違いないです。黒幕のプーがヨギボーを“呼びボー”するんです(笑)。