男性が演じるアンドレも登場 韓国版「ベルばら」プロデューサーが語る作品の普遍的な魅力

AI要約

漫画家、池田理代子さんの人気作「ベルサイユのばら」の新作ミュージカルが、16日からソウルで上演されている。韓国版は男性俳優も出演し、オスカルとアンドレの関係が重視されている。

主演俳優たちはそれぞれのキャラクターに合わせて選ばれ、音楽や舞台装置も豪華で素晴らしいものとなっている。

プロデューサーのジウォンは、オスカルの信念を貫く姿に共感し、国内外での上映を希望している。

男性が演じるアンドレも登場 韓国版「ベルばら」プロデューサーが語る作品の普遍的な魅力

漫画家、池田理代子さんの人気作「ベルサイユのばら」の新作ミュージカルが、16日からソウルで上演されている。フランス革命を舞台にした人気漫画は、半世紀前に宝塚歌劇団が舞台化。宝塚を代表するヒット作として繰り返し上演されているが、韓国版には男性俳優も出演。日韓で「マタ・ハリ」などをヒットさせたEMKミュージカルカンパニーのプロデューサー、キム・ジウォンが作品への思いを語った。

「『ベルばら』は韓国でも1990年代にアニメが放映され、誰もが知っている作品。舞台化のため原作を読み直し、キャラクター造形やメッセージ性の深さに感動した。オスカルが半世紀以上、愛された理由がよく分かった」と話すジウォン。韓国版は主人公である男装の麗人オスカルと幼なじみのアンドレを軸に据えた新たな脚本で、2人が兄弟のように育ち、やがて愛し合い、革命に散っていくまでをたどる。悲劇のフランス王妃マリー・アントワネットとその恋人、フェルゼンの出番はわずかだ。

オスカル役は韓国で「エリザベート」などに主演し、日本でも知名度の高いオク・ジュヒョンら女性俳優3人。オクは身長172センチで、軍服姿もりりしい。「男性と並んでも隊長に見える身長とカリスマ性を持ち、軍服が似合う。難曲を歌いこなせる歌唱力の持ち主」とはジウォン評だ。またアンドレ役のイ・ヘジュンら男性俳優3人は、「オスカルの横に立っても様になる」韓国ならではのアンドレを追求した。

音楽はミュージカル「フランケンシュタイン」などを手掛けたイ・ソンジュン。「クラシックやポップスなどジャンルを超えた素晴らしい音楽」(ジウォン)で昨年末、コンサート形式で披露したところ、早くも反響を呼んだ。製作費150億ウォン(約17億円)をかけた舞台装置も目玉で、バラ尽くしの装置や、ベルサイユ宮殿を再現した豪華なセット、レーザー光線を使った演出などが物語を彩る。

ジウォン自身、急成長する韓国ミュージカルを牽引してきただけに、革命で信念を貫き民衆の味方をしたオスカルへの思い入れは強いという。

「生きづらい時代になっているが、人間として自分の信じる道を行くというメッセージは、力強くみなさんの心に届くはず。日本の作品ファンにもご覧いただきたいし、将来的には国外でも上演したい」。華やかな舞台に込めた思いを語った。(飯塚友子)