結城モエ、”乱歩で飛躍の一歩” 文学好きに究極のハマり役…初主演映画『乱歩の幻影』26日公開

AI要約

女優の結城モエ(30)が初主演映画「乱歩の幻影」について語る。

結城が演じる弓子の役作りについて、自身の感性を引き出して役に没入した様子。

結城の今後の展望や乱歩との関わりについても触れられている。

結城モエ、”乱歩で飛躍の一歩” 文学好きに究極のハマり役…初主演映画『乱歩の幻影』26日公開

 女優の結城モエ(30)の初主演映画「乱歩の幻影」(秋山純監督)が26日に公開される。ミステリー界のレジェンドと呼ばれる島田荘司さんの幻の名作として語り継がれる同名作品が原作で、江戸川乱歩への憧憬(しょうけい)のあまり、幻影に取りつかれてしまう主人公・弓子の精神世界をミステリアスに描く。幼いころから文学に親しんでいた結城にとって、まさに究極のハマり役。本紙のインタビューで撮影を振り返りながら作品の魅力について語った。 

 父や祖父の影響で、幼きころから古典に触れてきた結城。人間の本質を描く今作の”入門編”ともいえる乱歩の「蟲(むし)」も大好きな作品のひとつだった。運命に導かれるように弓子役を射止めた。

 「本当にうれしかったです。自分自身が積み上げてきた人間性みたいなものとすごくマッチするというか、自分が好きだって思うジャンルで主演って、いきなりそんなうまくいくものなのか?みたいな感じでしたね」

 結城が演じる弓子は江戸川乱歩の愛読者。ある日、生前の乱歩が吐いた「僕は殺人快楽症になりたい」という言葉を巡って、実際に乱歩が美女を殺してアパートの壁に埋め込んだという話をネットで目にする。乱歩は本当に殺人犯なのか―。倒錯の世界に踏み込んでいき、やがて弓子の前に乱歩の幻影が現れるようになる。

 「こういう人間の心理の奥底を突いた作品が大好き。『真実』って確かめられないじゃないですか。世の中の人がどれだけ本当の部分を知ってるんだろうとか、すごく考えるんです。本当に弓子みたいな感じですよね(笑)」

 実際に演じていくうちに弓子が憑依(ひょうい)するかのごとく役に入り込んでいったという。

 「私は弓子が人間的に好きなので、とにかく弓子になりきって寄り添ってやっていくと、自分自身も混乱して訳わかんないから没入していく。役を作って装飾していくわけではなく、自分の中にも同じように眠っている感性みたいなものを引っ張り出してくる作業なので、自分にとっては良かったのかもしれないですね」

 秋山監督は、結城と初めて会ったときからミステリアスな香りが漂う錯覚を覚えたという。弓子は乱歩の”隠された真実”を発掘していくが、秋山監督は弓子役の適任者を発掘したようだ。

 「これまで、文学が好きだとはおおっぴらには言ってこなかったので、私の内面的なところからちゃんと見てくださったっていうのはありがたいですね。私、お金持ちの役とかお嬢様の役とか多いんです。そう見えるっぽいです。そっちも嫌いじゃないけど、無我夢中みたいな役をやってやりたいんですよ。そのほうが楽しいと思うんです」

 歴史小説も大好きだという。慶応大学法学部卒の頭脳派でもある。

 「法律も結構人間がうごめく中にあるんですよね。そこで初めて必要とされるものなんで、法律テーマにした話の役が来たらめちゃくちゃ喜んでやるだろうなって。時代小説の面白さにも魅了されている一人なので大河ドラマにもあこがれがあります」

 ”乱歩で飛躍の一歩”を踏み出すことを決意した結城にとって、女優人生を大きく変える作品になりそうだ。乱歩役は高橋克典(59)、一枚の写真からミステリーを呼び起こす謎の女性・芙蓉(ふよう)役を常盤貴子(52)が演じる。

 ♥結城モエ(ゆうき・もえ) 1994年5月18日生まれ、福岡県出身。慶応大学法学部を卒業後、17年に日本テレビ系ドラマ「脳にスマホが埋められた!」で芸能界デビュー。20年にTBS系ドラマ「恋する母たち」で演じた小悪魔な悪女や、21年のテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」第7シリーズで挑戦したドSな秘書役が注目を集めた。昨年はTBS系日曜劇場「Get Ready!」で、千代田医科大学病院院長・剣持理三(鹿賀丈史)の娘役を熱演した。