『西園寺さんは家事をしない』松本若菜×松村北斗の共同生活がスタート 楠見が背負う過去

AI要約

アプリ制作会社のエース社員・西園寺一妃は、家事を全く割かないバリキャリ女性が奇妙な共同生活へ突入する。

彼女は共同生活相手の楠見俊直と、家事に対する考え方の違いや親としてのプレッシャーに直面する。

一妃と楠見が直面する課題や壁、異なる生活スタイルが今後どう展開していくのかに注目が集まる。

『西園寺さんは家事をしない』松本若菜×松村北斗の共同生活がスタート 楠見が背負う過去

 仕事をすることがストレス発散になるというアプリ制作会社のエース社員・西園寺一妃(松本若菜)は、自分のリソースを家事に全く割かなくてもいいように、「やりたくないことをやらない」を信条に掲げるバリキャリ独身女性だ。そんな彼女に突然奇妙な共同生活の幕明けが訪れる『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)第1話。

 便利家電をフル活用し、その威力が最大限発揮されるようにリフォームを施した“家事ゼロハウス”という名の一軒家マイホームを手に入れた一妃は、保護犬との悠々自適な生活を満喫中だった。そんな“ひらめきワクワク女子”である彼女の前に現れたのが、アメリカ帰りの天才エンジニアで、“ロジカルズバズバ男子”の楠見俊直(松村北斗/SixTONES)。無愛想な変わり者ながら、実は1人で娘のルカ(倉田瑛茉)を育てるシングルファーザーという一面を持つ。

 ルカの保育園でウイルス性の夏風邪をもらってしまって咳込み、倒れかけながらも全てを自分一人で抱え込もうとする楠見の姿に、一妃も思わず放ってはおけず、マイホームと同じ敷地内にある賃貸物件に楠見親子を招き入れる。もっと周囲に頼れたらいいのだが、職場にもシングルファーザーであることを隠し通そうとする楠見は、あまりにハードなことを自らに課し過ぎている。これにはさすがに自分の城での快適な生活を脅かされたくないと思っていた一妃も、見て見ぬ振りができない。

 彼女には専業主婦だった母親が突然家を出て行ってしまった過去があるようで、“妻が家事に手間隙をかける人だったから僕もそうしたいんです”と言っては、全てを自力でどうにかしようとする頑なすぎる楠見の姿と重なるようだ。

 「子どもが幸せならそれでいいとか親だから我慢するとか、それって本当に子どもが望んだことなの? 親だろうがなんだろうが自分の人生生きればいいじゃん」として、子どもを理由にした“自己犠牲”は親の“自分勝手”だと主張する一妃。彼女も自分の母親に言えなかった言葉を今目の前の楠見にぶつけているかのようだった。また、一妃にとっては母親のこの一件が、家事のお悩みを解決するアプリ「レスQ」に関わる強い動機になっているのだろう。

 一方、楠見は1年前に妻を亡くしたものの、悲しむ暇もなく娘を一人で育て上げることに必死な日々を過ごしてきたようだ。どんなに辛く酷な出来事があろうとも、“日常”は容赦なくやってくる。そのことに救われることもあるが、常に目指そうとする “幸せな日常”の形が念頭にある中、理想を追求する生活はさぞ息苦しいことだろう。

 一妃のおかげで娘と別の部屋で寝たのは妻が亡くなって以来初めてだと明かす楠見だが、その際に「解放されたー」と思ってしまったことにさえも罪悪感を抱き、涙する彼を見るにつけ、親というだけで背負わされている無言の責任やプレッシャーがあまりに大きいことを物語っているように思える。

 義務感だけで取り組むには家事という労働はあまりに多岐に渡り終わりがない。楠見の場合には、そこにマイルールが多くこだわりの強い娘の子育ても加わるのだから、この1年間弱音一つ吐かずに何とかこなしてきた彼の奮闘が奇跡にも思え、どれだけ心細かっただろうと想像してしまう。

 妻がやってくれたあれこれを愚直に再現しようとする楠見と、「家事はやらない!」と気持ちいいまでに断言する一妃という正反対の2人がこれからどんな共同生活を営み、どんな壁にぶつかっていくのか気になるところだ。