やす子の必死PRも虚しく自衛官の採用率過去最低…“生涯年収2億円”でも深刻なハラスメント問題

AI要約

自衛官採用人数が過去最低の達成率に落ち込む中、元自衛官で人気のお笑いタレントやす子のPR効果が限定的であることが示された。

防衛省は少子化などを背景に自衛官募集の困難さを認識し、金銭的特典や安定性をアピールしているが、相次ぐセクハラ・パワハラ問題による国民の不信感が障害となっている。

やす子自身も元自衛隊での退官経験や指導トラブル報道があり、自衛官の採用率が好転する見通しは暗い。

やす子の必死PRも虚しく自衛官の採用率過去最低…“生涯年収2億円”でも深刻なハラスメント問題

 元自衛官で人気のお笑いタレント・やす子(25)の必死のPRも虚しく空振りに終わった。防衛省は8日、2023年度の自衛官採用人数が陸海空3自衛隊で計9959人だったと発表。1万9598人の募集計画に対し、達成率は過去最低の51%(前年度比15ポイント減)に落ち込んだ。これまで計画達成率の最低は1993年度の56%だった。

 防衛省は今年2月、YouTubeの「自衛官募集チャンネル」にやす子を出演させ、2等陸佐の大堀智子氏、ポップアーティスト山本周司さんと共に、3種類の陸上自衛官募集ロゴを紹介。また、動画内でやす子が自衛官時代のエピソードや思い出も語る一幕もあった。やす子はこれまでも自衛隊神奈川地方協力本部などの広報活動に協力しているが、残念ながら自衛官の採用に結びついているとは言いがたい状況が続いている。

■「生涯年収は2億円以上」とお金で釣ろうとする防衛省

 もっとも、すべての責任をやす子になすりつけるのは酷だ。防衛省は自衛官が中々集まらない背景には少子化があると分析。まずは親を取り込もうと、募集案内では「自衛隊なら、お子様の人生はもっと輝きます」と強調。「自衛官は国家公務員で安定・安心・好待遇があります」「生涯年収は2億円以上です」「退職後もサポート!」「福利厚生の充実」などと自衛官の特典を“これでもか!”というほど並べている。

「ただ、いくら防衛省が自衛官の金銭的なメリットを説いたところで、相次ぐセクハラ・パワハラ問題に対する国民の不信感は拭えません。元陸自隊員五ノ井里奈さんの勇気ある性被害告発がありましたが、いくら待遇が良くても、我が子を積極的に自衛隊に入隊させたいと思う親は多くはないでしょうね」(軍事ジャーナリスト)

 防衛省の宣伝に協力しているやす子自身も、今も即応予備自衛官ではあるものの、“現役”は約2年間で退官している。今年5月には、在籍時に1期下の女性自衛官との間に指導トラブルがあったことも報じられた。自衛官の採用率が一気に好転することはしばらくなさそうだ。

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 やす子には「女ピン芸人」としての課題があるという。●関連記事【もっと読む】やす子に突きつけられる女ピン芸人としての課題…「元自衛隊」の肩書いつまで? 何を目指す?…で、シャーナリストの二田一比古氏が指摘している。