ひとシネマ執筆陣が選んだ〝2024年上半期の5本〟:柴咲の目、ギレンホールの肉体 芦田央

AI要約

2024年も半分が過ぎ、1年の折り返し点でちょっと立ち止まって、今年の秀作、話題作をおさらい。

上半期に映画館や配信で公開された作品から5本を選び、その魅力を紹介。

異なるジャンルの作品を楽しむ楽しみや知的好奇心をくすぐるドキュメンタリー作品に出会えたことに感謝。

ひとシネマ執筆陣が選んだ〝2024年上半期の5本〟:柴咲の目、ギレンホールの肉体 芦田央

2024年も半分が過ぎ、1年の折り返し点でちょっと立ち止まって、今年の秀作、話題作をおさらい。上半期に映画館や配信で公開された多くの作品の中から、ひとシネマ執筆陣がお勧めの5本を選んだ。

・「関心領域」(ジョナサン・グレイザー監督)

・「アメリカン・フィクション」(コード・ジェファーソン監督)Amazon Prime Video映画

・「アインシュタインと原爆」(アンソニー・フィリップソン監督)Netflix映画

・「蛇の道」(黒沢清監督)

・「ロードハウス/孤独の街」(ダグ・リーマン監督)Amazon Prime Video映画

オスカー受賞作である「関心領域」(国際長編映画賞、音響賞)と「アメリカン・フィクション」(脚色賞)、そして「オッペンハイマー」と合わせて見るとより深みの増すドキュメンタリー「アインシュタインと原爆」。知的好奇心をくすぐる作品をいつも選びがちな一方、直感的に楽しめる映画も欠かせない。

柴咲コウの目に射抜かれる「蛇の道」は、彼女の導くままにえたいの知れないスリルとシュールな笑いに身を投じるのが心地よい。ジェイク・ギレンホールが元総合格闘家を演じた「ロードハウス/孤独の街」は、その鍛え上げられた肉体にまず驚く。そして本物の総合格闘家で元世界王者のコナー・マクレガーが悪役として登場し、さらに上を行く肉体を見せつける。彼らの肉弾戦は手放しで面白い。

「その手があったか」と思わせる新しい切り口の作品と、「そうそうこれが欲しかったんだよ」と思わせる作品の両方に出会えたことは幸運だった。これでまだ半年。下半期も楽しみである。

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