NHK会長 原作ある作品の映像化について見解 「セクシー田中さん」問題の調査報告受け

AI要約

NHKは19日、東京・渋谷の同局で定例会長会見を行い、昨年10月期放送の日本テレビドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが1月末に急死した問題についてコメントした。

NHKの稲葉延雄会長は、原作者の要望を踏まえて製作過程での意思疎通を大切にしていると述べ、今回の件から原作者とのコミュニケーションの重要性を再確認した。

日本テレビと小学館がそれぞれの調査結果を発表し、制作過程での意思疎通の不足が信頼関係の崩壊につながったことが明らかになった。

芦原妃名子さんがSNS投稿を通じて制作過程に関する不満を表明し、その後急死。日本テレビと小学館が調査を行い、対応の不手際や原作者とのコミュニケーション不足を認めた。

調査結果を受けて日本テレビはSNS対応の改善や制作段階での原作者の意向を尊重する指針を示し、今後の対応について検討を進めている。

エピソードごとに要約を記載し、問題が表面化してからの経過、調査結果の公表、報告書と指針の発表までの流れを整理した。

 NHKは19日、東京・渋谷の同局で定例会長会見を行い、昨年10月期放送の日本テレビドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが1月末に急死した問題を巡り、日本テレビ、原作出版元の小学館がそれぞれ調査結果を発表した件についてコメントした。

 今回の動きについてコメントを求められた稲葉延雄会長は「一般論として原作者、原作を使って新しい作品にしようとするメディアに考え方の違いはありうる」としたうえで「NHKでも、漫画などの原作をドラマにする才には原作者の要望をよく踏まえて、製作過程でも原作者との意思疎通を図ることはしている」と説明。「今回の事案があったからではないが、原作者とのコミュニケーションを大事。今回の件で改めて確認したと聞いております」とコメントした。

 日本テレビは、5月31日に調査結果を公表。制作過程で芦原さんとドラマ制作者側の意思疎通がうまくいかず、信頼関係が失われていったと説明。一方、原作出版元の小学館も自社の調査結果を来週早々に発表すると明らかにした。

 調査チームは2月23日から計39人に対しヒアリングを行い、報告書は91ページに上った。5月31日、都内で行われた説明会に冒頭出席した日テレの石沢顕社長は「ドラマの制作に携わる関係者や視聴者を不安な気持ちにさせてしまった」と謝罪した。

 その3日、6月3日に調査報告書と映像化指針を公表。報告書は86ページにも上り、芦原さん側の要望は伝わらず、脚本の修正に翻弄(ほんろう)されて心労が重なっていく経緯が事細かに記されていた。日テレの緩慢な対応を疑問視するとともに、自らのSNS対応について「責任者が不在であった」と反省点を挙げた。SNS炎上に対する対応部署の設置を進め、広報や法務と連携を図る体制づくりを進めるとした。また、映像化の検討段階から文書を作成し、作家の意向を第一に尊重しながら制作者側と協議するとの指針を公表した。

◇「セクシー田中さん」を巡る経過

 ▽23年10月22日 ドラマ第1話が放送

 ▽12月24日 ドラマの最終回が放送

 ▽28日 相沢氏が「苦い経験」だったとSNSに投稿

 ▽24年1月26日 芦原さんがSNSに制作の経緯を投稿、日テレや相沢氏への批判が噴出する

 ▽28日 芦原さんが「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と投稿

 ▽29日 芦原さんの急死が判明

 ▽2月8日 小学館が再発防止に努めると発表。相沢氏が投稿を深く後悔、反省していると表明

 ▽15日 日テレが社内特別調査チームの設置発表

 ▽22日 日テレが放送予定の漫画原作のドラマ制作を見送ったことが判明

 ▽5月31日 日テレが調査結果を公表

 ▽6月3日 小学館が調査報告書と映像化指針を発表