白石和彌監督、自身受賞のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で国際コンペティション審査委員長

AI要約

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024の記者発表会が都内で行われ、白石和彌監督が国際コンペティションの審査委員長に就任することが発表された。

映画祭は若手映像クリエーターの登竜門として知られ、白石監督が長編映画デビュー作で受賞した背景が紹介された。

また、国内コンペティションの審査委員長は横浜聡子監督が務め、映画祭の意義についても言及された。

白石和彌監督、自身受賞のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で国際コンペティション審査委員長

 埼玉・川口市で7月に開催され、今年で21回目を迎えるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024(7月13日開幕)記者発表会が7日、都内で行われた。

 席上で現在、公開中の「碁盤斬り」を手がけ、11月1日に最新作「十一人の賊軍」の公開を控える、白石和彌監督(49)が国際コンペティションの審査委員長を務めることが発表された。

 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は若手映像クリエーターの登竜門として知られ、白石監督は2009年(平21)の長編映画デビュー作「ロストパラダイス・イン・トーキョー」が、長編部門(国際コンペティション部門)SKIPシティアワードを受賞した。同監督はそのことを踏まえ「そこから僕の映画監督人生のスタートを切れた感覚。15年たって、続いているのがありがたい」と感慨を口にした。

 その上で、今やフィルムから移行し主流となった、デジタルシネマにいち早くフォーカスした国際コンペティション映画祭としてスタートし、20年が経過した映画祭のあり方を踏まえ、思いを語った。

 白石監督 今や、映画はデジタルで撮るのが当たり前。Dシネマを紹介するという役割は、終わったかも知れないけれど、私も含まれるかも知れないが、クリエーター、ファンが生まれている国内でも重要な映画祭であると感じています。

 「数年、内々で審査員できませんか? と打診をいただいましたが、夏に撮影をして参加できなかった。今年は時間が合ったので快く参加させていただいた」と、長年の“相思相愛”が実っての国際コンペティション審査委員長就任だと強調した。自らも積極的に映画祭の会場で、ノミネート作品の上映を見ると明言。「私も国際映画祭に参加するんですが、スクリーンで見ない審査員もいるんですよ。今回は、がっぽり、スケジュールを空けているんで、審査する10本は最低、スクリーンで見ようと思う」。そして「審査員がいて、見るというのが醍醐味(だいごみ)だと思う。よほど事故がなければ毎日、通って映画祭を楽しみたい。精いっぱい、参加しながら盛り上げたい」と意気込んだ。

 また、国内コンペティションの審査員長を、21年「いとみち」で知られる横浜聡子監督(46)が務める。同監督は「いとみち」でも舞台で描いた青森県出身で「青森にも映画祭が幾つもあった。現在は0になり、地域で映画祭を続ける大変さを肌で感じておりまして、長らく支えている皆さんに心から敬意を示したいと思う」と映画祭関係者に敬意を示した。その上で、映画祭の意義を語った。

 「大きな映画祭で、若い作家が観客の皆さんに作品を見ていただくのは、うれしい半面、数多くの他者の目にさらされることもあり、時には批判、厳しい意見と向き合わなければいけないこともある。選ばれた監督の作品は、そういう宿命を背負っている。浴びるように(映画祭で)たくさん見ることで研ぎ澄まされ、さらなる成長に向かっていくと思う。映画祭は作り手にとって貴重な場。私は自主映画を15年以上前に制作しておりまして、自主映画祭で人に見つけていただき、ここにいる経緯がある。先輩からのありがたい言葉、厳しい言葉があって今、ここに立てている」

 今年は、102の国と地域から1201本の作品が寄せられ、24作品がノミネートされた。会見には、大野元裕埼玉県知事(60)と開催地・川口市の奥ノ木信夫市長(73)らも登壇した。