与謝野晶子反戦詩、15言語に 堺市〔地域〕

AI要約

堺市出身の歌人・与謝野晶子の反戦詩「君死にたまふことなかれ」を15言語に翻訳した展示が行われている。

晶子が日露戦争時に弟を案じて詠んだ詩であり、平和のメッセージを世界に発信する取り組みとして企画された。

外国人研究者の協力により15言語に翻訳され、ウクライナ語版は2022年の軍事侵攻を受けて制作された。

 堺市出身の歌人・与謝野晶子の反戦詩「君死にたまふことなかれ」をウクライナ語、英語、中国語、スペイン語など15言語に翻訳したパネルが文化観光施設「さかい利晶の杜」(同市堺区)で展示されている。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのパレスチナ自治区ガザ攻撃など、武力紛争が絶えない中、平和のメッセージを世界に届けようと企画された。16日まで。

 「君死にたまふことなかれ」は、晶子が日露戦争の激戦地にいる弟の身を案じて詠んだ詩。1904年に雑誌「明星」に発表された。

 企画展では、この詩を英語、中国語、ロシア語、スペイン語、ヒンディー語など15言語に訳して紹介。訳は日本文学や晶子の作品を研究する外国人が協力した。ウクライナ語版は2022年の軍事侵攻をきっかけに訳されたという。

 企画展を担当した学芸員は「家族の命を大切に思う気持ちは主義主張を超えて同じだ。今だからこそ、晶子の平和思想を感じてほしい」と話している。