投票率アップに捨て身の策 議会が自主解散検討

AI要約

海津市議会は、任期満了を迎える前に自主解散し、市議選を前倒しして実施する方向性を検討中。

市議選は市長選と同日選にすることで、投票率向上や選挙費用削減を狙っている。

同日選は他の自治体でも実施されており、市議会内でも賛否両論がある状況。

 来年9月27日に任期満了を迎える岐阜県海津市議会(定数15)が来年3月に自主解散し、市議選を前倒しして実施する方向で検討している。来年5月7日に任期満了となる市長選と同日選にし、低下傾向の投票率向上、選挙費用の削減を図るのが狙いだ。

 5月発行の市議会だよりで同日選を検討していることを明らかにした。自主解散は地方公共団体の議会の解散に関する特例法で議員数の4分の3以上が出席し、5分の4以上の同意が必要。市議会で今年3月に意思確認をし、解散に賛成は12人、反対は3人だった。自主解散の動議は来年3月に出される見込みで、このままなら解散が決まる。

 海津市は海津、南濃、平田3町が合併し、2005年3月に誕生した。市長選は同年5月に行われたが、新市議は合併時の特例で旧町議が引き続いて在任したため、市議選の実施は同年9月にずれ込んだ。

 市議選の投票率は低下しており、21年は58・63%で過去最低を更新した。市選管によると、この時は約1575万円かかっており、同日選によって「約400万円の削減が見込めるのでは」と試算する。

 同日選は市議会の議会改革検討委員会で議論されてきた。投票率向上、市職員の負担軽減、経費削減などが見込めるといった賛成意見のほか、任期を全うすべきだという反対意見もあり、市議会だよりでも全市議の意見を紹介している。

 里雄淳意委員長は「次回の市議選出馬を考えている人に不利にならないよう、現在の状況を早めに公表した。多くの市民に関心を持ってもらえれば」と話す。

 岐阜県選管によると、県内では06年に東白川村議会で自主解散が行われた。東海3県では三重県名張市議会で22年に行われた。同県伊賀市議会も今年11月の市長選と同日選にするため、今秋に自主解散することを決議した。