附属池田小事件遺族がリーフレット作成 報道被害の防止を目指し 犯罪被害者のためのメディア取材対応 要点をまとめる

AI要約

23年前に起きた大阪教育大学附属池田小学校・児童殺傷事件の遺族が、被害者に向けたメディア取材の権利と方法についてまとめたリーフレットを作成しました。

リーフレットは取材を断る権利や正確な報道を求める権利を強調し、メディア取材を受けたり拒否したりする際のガイドとして配布されます。

被害者の立場から正確な情報発信を目指す取り組みや、報道被害を軽減する為のアドバイスがリーフレットに込められています。

附属池田小事件遺族がリーフレット作成 報道被害の防止を目指し 犯罪被害者のためのメディア取材対応 要点をまとめる

23年前に起きた大阪教育大学附属池田小学校・児童殺傷事件の遺族が、犯罪に遭った直後の被害者に向けて、メディアからの取材を受けたり断ったりする際の権利や方法についてまとめたリーフレットを、被害者支援団体と共同で作成しました。

リーフレットは、2001年6月、大阪教育大学附属池田小学校の児童殺傷事件で長女・麻希さん(当時7)を亡くした酒井肇さん智恵さん夫妻が、犯罪被害者を支援する団体「大阪被害者支援アドボカシーセンター」と共同で作成しました。

リーフレットには、取材を受けるかどうかは被害者の自由で、嫌な気持ちになる質問を拒否したり、間違った報道に訂正を求めたりする権利があることが書かれています。

一方で、取材を受けることで被害者の思いや要望を社会に届けたり、被害者の立場から見てより正確な内容になるよう報道を是正することができたりするメリットも書かれています。

このリーフレットは、「大阪被害者支援アドボカシーセンター」の支援員が、混乱の中にある犯罪被害者や遺族に手渡すことを想定して作られました。

酒井さん夫妻は23年前の事件直後に加熱した取材に遭い傷ついた経験から、いわゆる報道被害の軽減を目指して報道関係者との勉強会や講演などの活動をしてきました。

報道については、深刻な被害の一方で、事件で感じた学校の安全対策拡充の必要性などを社会に訴えかける中で、取材を受けるメリットも感じるようになったといいます。

事件直後の悲しみの中で、メディアが何をしようとしているのか分からず恐怖を感じた経験から、被害者がメディア取材について知ることは重要だと考え、今回のリーフレット作成を進めました。

「あの時にこういうアドバイスが欲しかった」という内容をリーフレットに書き込んだということで、報道被害を軽減して、被害者による意味のある情報発信につなげたいとしています。

【酒井肇さん】「(メディアが)何の目的で取材に来るのか、そして報道被害を防ぐどんな手立てがあるのか、そういったことが一目でわかるリーフレットを作りたかった」

【酒井智恵さん】「メディア取材を受ける受けない、その時期や方法などを、自分たちで選べるということを被害者に伝えたい。23年前に事件が起きた時に誰かが教えてくれたら良かったのにということ、その思いがリーフレットに込められています」

リーフレットはアドボカシーセンターの支援員を通じて、被害者や遺族に配布されます。

【権利について】

・取材を受けるかどうかは自由です

・特定のメディアに限って取材を受けることもできます

・嫌な気持ちになる質問には回答を拒否できます

・支援者同席の上での取材を求めることもできます

・間違えた報道には抗議・訂正を求めることができます

・写真や動画撮影の拒否や、撮影方法に要望を出すことができます

【メリットについて】

・より正確な報道をさせることができます

・必要なサポートをしてくれる人につながることができます

・被害者の思いや要望を社会に届けられます