【思考力チェック!】白玉20個と黒玉13個が入った箱がある。そこから2個の玉を取り出し、2つの玉が同色なら白玉1個を箱に入れ、異なる色なら黒玉1個を箱に入れる。これを繰り返していったとき、箱の中に最後に残る玉は何色?
この記事は論理的思考問題に焦点を当て、特定のルールに基づいて白黒玉を取り出す問題を紹介しています。
考え方を変えることで問題を解決する方法を示唆し、論理的思考力を鍛える重要性を強調しています。
解答のポイントや思考の流れなどが詳細に解説されており、問題解決へのアプローチを示しています。
![【思考力チェック!】白玉20個と黒玉13個が入った箱がある。そこから2個の玉を取り出し、2つの玉が同色なら白玉1個を箱に入れ、異なる色なら黒玉1個を箱に入れる。これを繰り返していったとき、箱の中に最後に残る玉は何色?](/img/article/20240522/664d1051cc846.jpg)
「白玉20個と黒玉13個が入った箱から、あるルールで2個ずつ玉を取り出していったとき、箱の中に最後に残る玉は何色?」
これは知識や難しい計算はいっさい不要で、「考える力」のみが問われる「論理的思考問題」のひとつ。論理的思考問題はGoogle、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験でも出題され、「スティーブ・ジョブズ超えの天才」と言われたあのピーター・ティールも自社の採用試験に取り入れた。これまでの正解が通用しない時代に必要な「思考力」を鍛える、「最高の知的トレーニング」でもある。
そんな論理的思考問題の傑作を世界中から収集し、解説した書籍が『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』だ。「論理的思考」「批判思考」「水平思考」「俯瞰思考」「多面的思考」が身につく67の問題を紹介。「頭のいい人の思考回路」がわかり、読むだけで、一生モノの武器となる「地頭力」が鍛えられると話題。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「発想の視点を変えられる人」だけが解ける問題を紹介する。(構成/石井一穂)
● 「考え方」を変えて発想できるか?
視点を変えることで、ヒントが見つかります。
柔軟な発想をするには、「考え方」自体を変えることも重要なのです。
その意識をもてば、きっと次の問題も解けることでしょう。
「白黒玉の入れ替え」 20個の白玉と、13個の黒玉が入った箱がある。
あなたはこの箱からランダムに2個の玉を取り出していく。
もし玉の色が同じなら、白い玉1個を箱に入れる。
もし玉の色が違ったら、黒い玉1個を箱に入れる。
あなたはこれを繰り返す。
取り出した2つの玉は箱の中には戻さないので、箱の中の玉は減っていくことになる。
箱の中に最後に残る玉は何色だろうか?
イラスト:ハザマチヒロ
次のページで、正解と考え方をお伝えします。
<正解> 箱の中に最後に残る玉は「黒色」
「もともと入っているのは白玉の方が多いから、なんとなく白玉が残りそうだよね」。
そう思ったあなた!
論理的思考をあきらめてはいけません。
とはいえ、取り出す玉の組み合わせをひとつずつ検証する必要はありません。
何に着目するかがポイントです。
● 箱の中身はどう変化する?
2つの玉を取り出し、同じ色なら白い玉を1つ、違う色なら黒い玉を1つ入れる。
「2個取り出す→1個入れる」なので、1回行動を起こすごとに、箱の中の玉の数は1つずつ減っていきます。
かなり難しそうに見える問題ですが、パターンを単純化して考えるとシンプルになります。
玉を取り出したときの箱の中身は、以下のように置き換わります。
(取り出した玉)白・白→(入れる玉)白→(箱の中の増減)白ー1
(取り出した玉)黒・黒→(入れる玉)白→(箱の中の増減)黒ー2・白+1
(取り出した玉)白・黒→(入れる玉)黒→(箱の中の増減)白ー1
ここで着目すべきは「黒玉の減り方」です。
箱の中から黒玉が減るのは、取り出した2つの玉が「黒黒」のときのみだとわかります。
● 減る数が重要なのではない
黒玉が減るパターンの方が少ないから、最後に残るのは黒玉……と考えそうになりますが、着眼点はそこではありません。
ポイントは減る数や確率ではなく、
「黒玉は2個いっぺんにしか減らない」ということ。
箱の中に最初にあった玉の数は「白が20、黒が13」です。
つまり黒玉は、かならず奇数個が箱の中に残ります。
黒玉は13→11→9→7→5→3→1と減っていき、最終局面の一歩前では、かならず「白1、黒1」という状況になります。
最後にそれを取り出すと、玉の色は「白黒」なので、黒玉を箱の中に入れます。
よって、最終的に箱の中に残るのは黒玉であるというわけです。
● 「思考」のまとめ
「何かのなかから色の違うボールを取り出して何かする」的な問題は、みんな苦手な「確率の問題」でよくあるやつですね。
なので最初は「やばい!」って思いましたが、確率は1ミリも関係ありませんでした……。
「個数」ではなく「減り方」に着目すると瞬時に解けるのですが、ちょっと思いつきづらいですよね。
自力で解けた方は自慢しましょう。
・目に見えている物体や現象だけでなく、そこからわかる「法則」「規則性」などに目を向けることで、発想が浮かぶこともある
(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)
野村裕之(のむら・ひろゆき)
都内上場企業のWebマーケター。論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者
ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。