【思考力チェック!】白玉20個と黒玉13個が入った箱がある。そこから2個の玉を取り出し、2つの玉が同色なら白玉1個を箱に入れ、異なる色なら黒玉1個を箱に入れる。これを繰り返していったとき、箱の中に最後に残る玉は何色?

AI要約

この記事は論理的思考問題に焦点を当て、特定のルールに基づいて白黒玉を取り出す問題を紹介しています。

考え方を変えることで問題を解決する方法を示唆し、論理的思考力を鍛える重要性を強調しています。

解答のポイントや思考の流れなどが詳細に解説されており、問題解決へのアプローチを示しています。

【思考力チェック!】白玉20個と黒玉13個が入った箱がある。そこから2個の玉を取り出し、2つの玉が同色なら白玉1個を箱に入れ、異なる色なら黒玉1個を箱に入れる。これを繰り返していったとき、箱の中に最後に残る玉は何色?

 「白玉20個と黒玉13個が入った箱から、あるルールで2個ずつ玉を取り出していったとき、箱の中に最後に残る玉は何色?」

これは知識や難しい計算はいっさい不要で、「考える力」のみが問われる「論理的思考問題」のひとつ。論理的思考問題はGoogle、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験でも出題され、「スティーブ・ジョブズ超えの天才」と言われたあのピーター・ティールも自社の採用試験に取り入れた。これまでの正解が通用しない時代に必要な「思考力」を鍛える、「最高の知的トレーニング」でもある。

そんな論理的思考問題の傑作を世界中から収集し、解説した書籍が『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』だ。「論理的思考」「批判思考」「水平思考」「俯瞰思考」「多面的思考」が身につく67の問題を紹介。「頭のいい人の思考回路」がわかり、読むだけで、一生モノの武器となる「地頭力」が鍛えられると話題。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「発想の視点を変えられる人」だけが解ける問題を紹介する。(構成/石井一穂)

● 「考え方」を変えて発想できるか?

 視点を変えることで、ヒントが見つかります。

 柔軟な発想をするには、「考え方」自体を変えることも重要なのです。

 その意識をもてば、きっと次の問題も解けることでしょう。

「白黒玉の入れ替え」 20個の白玉と、13個の黒玉が入った箱がある。

 あなたはこの箱からランダムに2個の玉を取り出していく。

 もし玉の色が同じなら、白い玉1個を箱に入れる。

 もし玉の色が違ったら、黒い玉1個を箱に入れる。

 あなたはこれを繰り返す。

 取り出した2つの玉は箱の中には戻さないので、箱の中の玉は減っていくことになる。

 箱の中に最後に残る玉は何色だろうか?

 イラスト:ハザマチヒロ

 次のページで、正解と考え方をお伝えします。

<正解> 箱の中に最後に残る玉は「黒色」

 「もともと入っているのは白玉の方が多いから、なんとなく白玉が残りそうだよね」。

 そう思ったあなた!

 論理的思考をあきらめてはいけません。

 とはいえ、取り出す玉の組み合わせをひとつずつ検証する必要はありません。

 何に着目するかがポイントです。

● 箱の中身はどう変化する?

 2つの玉を取り出し、同じ色なら白い玉を1つ、違う色なら黒い玉を1つ入れる。

「2個取り出す→1個入れる」なので、1回行動を起こすごとに、箱の中の玉の数は1つずつ減っていきます。

 かなり難しそうに見える問題ですが、パターンを単純化して考えるとシンプルになります。

 玉を取り出したときの箱の中身は、以下のように置き換わります。

(取り出した玉)白・白→(入れる玉)白→(箱の中の増減)白ー1

(取り出した玉)黒・黒→(入れる玉)白→(箱の中の増減)黒ー2・白+1

(取り出した玉)白・黒→(入れる玉)黒→(箱の中の増減)白ー1

 ここで着目すべきは「黒玉の減り方」です。

 箱の中から黒玉が減るのは、取り出した2つの玉が「黒黒」のときのみだとわかります。

● 減る数が重要なのではない

 黒玉が減るパターンの方が少ないから、最後に残るのは黒玉……と考えそうになりますが、着眼点はそこではありません。

 ポイントは減る数や確率ではなく、

 「黒玉は2個いっぺんにしか減らない」ということ。

 箱の中に最初にあった玉の数は「白が20、黒が13」です。

 つまり黒玉は、かならず奇数個が箱の中に残ります。

 黒玉は13→11→9→7→5→3→1と減っていき、最終局面の一歩前では、かならず「白1、黒1」という状況になります。

 最後にそれを取り出すと、玉の色は「白黒」なので、黒玉を箱の中に入れます。

 よって、最終的に箱の中に残るのは黒玉であるというわけです。

● 「思考」のまとめ

 「何かのなかから色の違うボールを取り出して何かする」的な問題は、みんな苦手な「確率の問題」でよくあるやつですね。

 なので最初は「やばい!」って思いましたが、確率は1ミリも関係ありませんでした……。

 「個数」ではなく「減り方」に着目すると瞬時に解けるのですが、ちょっと思いつきづらいですよね。

 自力で解けた方は自慢しましょう。

 ・目に見えている物体や現象だけでなく、そこからわかる「法則」「規則性」などに目を向けることで、発想が浮かぶこともある

 (本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)

野村裕之(のむら・ひろゆき)

都内上場企業のWebマーケター。論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者

ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。