「誰でもなり得る病気」「相談して助け求めること大切」 認知症フォーラム 長野

AI要約

長野県で初の認知症フォーラムが開催され、日本認知症学会元理事長の森啓さんが認知症基本法について講演。パネル討論では認知症患者や専門家らが課題を議論。

森さんは認知症基本法の家族支援の必要性を強調し、認知症は誰にでも起こりうる病気であることを訴えた。

パネル討論には厚生労働省の「希望大使」を含む認知症当事者が登壇し、当事者の声を理解促進につなげる取り組みが紹介された。

「誰でもなり得る病気」「相談して助け求めること大切」 認知症フォーラム 長野

 長野県は21日、認知症の正しい知識を学ぶ初の「認知症フォーラム」を松本市中央2の信毎メディアガーデンで開いた。日本認知症学会元理事長で長岡崇徳大特任教授の森啓(ひろし)さん(74)が今年1月に施行された認知症基本法について講演したほか、パネル討論では認知症患者や専門家らが患者を支援する現場の課題などについて意見を交わした。

 森さんは2006年に京都市で発生した認知症の母親を長男が殺害した事件を紹介し、母親を介護していた長男と外部の接点がなく、長男が孤立した末の事件と指摘した。認知症基本法について、患者を介護する家族への支援の必要性に光を当てたことに意義がある―と説明。認知症は誰でもなり得る病気で、患者とその家族が「周囲に相談して助けを求めることが大切」と訴えた。

 パネル討論には、認知症当事者として情報発信する厚生労働省の「希望大使」の春原治子さん(80)=上田市=ら5人が登壇。春原さんは認知症の理解促進に向け、当事者の「生の声を聞いてほしい」と話した。

 認知症基本法で9月は「認知症月間」、同月21日は「認知症の日」に定められた。フォーラムは認知症の日に合わせて企画。医療関係者や患者の支援者らが来場した。