首都圏「中高一貫校」四模試志望動向で分かった人気の入試とは?【2025年男子校編】

AI要約

男子校を対象に、2025年入試の人気動向を四模試の志望者数変化と偏差値の推移から予想する。

最難関男子校では、開成、聖光学院、筑波大学附属駒場がトップ3を形成し、実倍率が高い状況が続く見通し。

聖光学院や筑駒の入試は厳しさを増しており、競争はさらに激化すると予想される。

サピックスや四谷大塚などで偏差値70前後の校に受験者数が増加し、過去最高水準の受験状況が続く傾向が見られる。

中堅・中位校の勢いもメインするが、30台の男子校は少ない。

最難関男子校の受験者数や実倍率が増加傾向にあり、競争は厳しさを増している。特に聖光学院や筑駒は過去数年で受験者数が増えており、入試はより厳しくなりそうである。

首都圏「中高一貫校」四模試志望動向で分かった人気の入試とは?【2025年男子校編】

 夏休み前、6月から7月にかけて行われた四模試での、各校入試志望者数の変動と偏差値の推移を見ながら、2025年入試の人気動向を予想する。今回は男子校を取り上げる。トップ校の序列にも微妙な変化が見られる。(ダイヤモンド社教育情報)

 ※文中の偏差値は2024年4月現在のもの

● 最高水準の受験状況が続く2025年中学入試

 夏休み前、2025年中学入試に臨む受験生はどのような志望状況となったのか。四模試(サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試)の前年同期との志望者数の変化から、25年に実施される一般入試の人気を予想する。どの入試が人気を集め、実倍率(合格者数÷受験者数)を上げそうなのか。また、どの入試がより受けやすくなりそうなのか。

 四模試の受験者数を見ると、過去最高水準だった24年入試の勢いが25年も継続しそうである。とはいえ、どの入試も受験生が増えるわけではない。難関・上位校は全体的にむしろ微減傾向の学校が多い。

 一方で、偏差値(四谷大塚合不合80)で50台から40台にかけての中堅・中位校に勢いが感じられるのもここ数年の流れと同様である。30台になると男子校はさらに少ない。

 今回は男子校について見ていこう。最難関校の多くは男女別学校が占めている。学力上位層が多いサピックス在校生の動きが全体の受験傾向にも大きく反映されるため、偏差値の推移も必要に応じて参照する。特にサピックスでは、偏差値が「1」動くことが話題になる。

 前年同期の四模試の志望者数合計と比較しながら、24年や23年入試での実倍率も参照して、25年入試の競争状況を考えてみたい。

● 聖光学院の勢いが目立つ最難関男子校

 難関・上位校志望者が多くを占めるサピックスで偏差値70をつけるのは、2月3日の筑波大学附属駒場(筑駒)のみである。四谷大塚では筑駒73、2月1日の開成71、2月2日と4日の聖光学院各70であり、この3校が首都圏男子校トップ3と呼ぶべき存在だろう。

 2月1日最多の受験生が集まる開成は、24年入試では1190人が受験し、実倍率は2.81倍となった。例年100人ほどの合格者が入学を辞退している。四模試の志望状況は微減傾向であるものの、22年実倍率の2.52倍までは緩和しないだろう。

 最難関校には珍しい2回入試を行う聖光学院は、24年の東京大学合格者数が100人(前年比22人増)となったことも後押しして、25年入試も受験者数を増やす勢いにある。神奈川男子御三家の栄光学園と同じ試験日の[2日1回](左=実施日、右=試験名、以下同じ)が微増傾向で、24年に実倍率が3.15倍となり23年の3.25倍に迫る。[4日2回]は1割近い増加傾向となっており、22年から順に4.1倍、4.89倍、5.2倍と増え続けた実倍率がさらに上がり、極めて厳しい競争状況となりそうである。

 筑駒について四模試の志望者数は出ていないが、最近の受験者数と実倍率を見ると、22年479人・3.71倍、23年521人・4.07倍、24年555人・4.34倍と顕著に増加している。その背景には通学可能地域の拡大も寄与している。他の最難関校受験生が併願してくるだけに、首都圏で一番厳しい入試といっていいだろう。卒業生の半分は、同じ最寄り駅の東大駒場キャンパスに進学する。