「耳元で声がした」「そこには6柱の戦没者が埋葬してある」硫黄島で聞いた「不可思議な話」

AI要約

硫黄島での謎の出来事に関する2つの不可思議な話が紹介されており、それぞれが幽霊や亡霊にまつわるものである。

一つ目の話では、硫黄島での慰霊事業参加者が夜間に声を聞いたという体験が描かれ、怖い体験が語られている。

二つ目の話では、遺骨収集団員たちが6柱の戦没者の遺骨を夢で指示されて発掘したエピソードが紹介されている。

「耳元で声がした」「そこには6柱の戦没者が埋葬してある」硫黄島で聞いた「不可思議な話」

なぜ日本兵1万人が消えたままなのか、硫黄島で何が起きていたのか。

民間人の上陸が原則禁止された硫黄島に4度上陸し、日米の機密文書も徹底調査したノンフィクション『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』が発売たちまち12刷と話題だ。

普段ノンフィクションを読まない人にも届き、「イッキ読みした」「熱意に胸打たれた」「泣いた」という読者の声も多く寄せられている。

ここでは、硫黄島に関する疑問・質問に答える。

ご質問のあった「硫黄島で知り得た情報」は多岐に渡ります。

今回は、これまで聞いた不可思議な話のうち2つを紹介します。

いずれも体験者本人から直接聞きました。

政府の遺骨収集団ではなく、硫黄島慰霊事業に参加したAさんの話。

何度も渡島経験のあるAさんが慰霊事業で在島中のある日の夕食後、戦跡を見たいというBさんら数人を連れて宿舎近くの戦跡に行った。懐中電灯を持って先頭を歩いていると、後方を歩いていたBさんが突然、悲鳴を上げた。

Aさん「何、どうしたの?」

Bさん「耳元で声がした…」

Aさん「え?」

Bさん「聞こえなかった…? 『ハロー』って…」

全員が脱兎の如く、宿舎まで逃げ帰ったそうです。

声の主が「霊」だとしたら、日本側兵士ではなさそうと思った不可思議な話です。

遺骨収集のベテラン団員Cさんから聞いた話です。

在島中のある夜、日本兵が夢に出て、こう言った。「今、あなたたちが探している場所には遺骨がない。○×(場所)を掘ってほしい。そこには6柱の戦没者が埋葬してあるから、収容してほしい」。

翌朝、この話を食堂か洗面所で同じく収集団員のDさんに伝えると「私も昨夜、まったく同じ夢を見た!」とのことで2人はびっくり。夢で指定された場所を掘ると、本当に6柱の完全な遺骨が出てきた。整然と並んでいたことから、戦友に埋葬された兵士たちと推察されたという。

この話をしてくれたCさんは私にこう言いました。

「硫黄島はね、こんな話がいくらでもありますよ」。そのほかにも不可思議な話は17年間の取材の中で、たくさん聞いたり読んだりしました。