「裁量所得」とは何か? 可処分所得との違いやその計算方法(海外)

AI要約

裁量所得とは、税金と生活に不可欠な経費を支払った後に残る所得を指す。

裁量所得を把握するためには、キャッシュ・フロー表を作成し、支出を追跡する必要がある。

裁量所得を最大化するためには、貯蓄や投資を通じて効果的な資金運用を行うことが重要である。

「裁量所得」とは何か? 可処分所得との違いやその計算方法(海外)

裁量所得とは、税金と生活に不可欠な経費を支払った後に残る所得をいう。

いくら支出したかを個人のキャッシュ・フロー表で追跡することにより、裁量所得を決定できる。

退職基金への拠出や投資を通じて、裁量所得を最大化できる。

給料日がやってくると、給料を全部使えるお金と勘違いしてしまう。だが、そのお金の大部分は、家賃や請求書、生活必需品、そしていうまでもなく税金としてすでに差し出すことが決まっている。こうした支出を給与から支払ったあとに残ったものが「裁量所得」だ。裁量所得とは何か、それが予算作成において果たす役割について、以下に説明しよう。

裁量所得とは、税金、食料や衣服、住居費など基本的なニーズにかかる経費を考慮したあとに残る所得をいう。残りはすべて、追加的な経費に充てられる裁量所得というわけだ。これとは別に、可処分所得というのもある。可処分所得は、税金支払後の所得のことで、裁量所得よりも大きな金額になる。裁量所得は、非裁量費用を説明するという点で、可処分所得よりも詳細な情報を提供する。その重要性ゆえに、裁量所得と呼ばれるのだ。以下の図表は、裁量所得と可処分所得の違いを説明している。

裁量所得 

可処分所得

裁量所得は、税金と生活費の両方を考慮する。

可処分所得は、税引き後の所得のことである。

裁量所得は、予算の何%と考えるとよりわかりやすい。

可処分所得から、さらに個別の数字を抽出できる。

裁量所得を使って、貯蓄すべき金額と支出できる金額を決定できる。

エコノミストや政府機関は、可処分所得の数値を見て、経済の状態を判断する。

前述のように、裁量所得とは、所得から税金と非裁量支出を差し引いたものである。

裁量所得を正確に把握するには、CFP(認定ファイナンシャルプランナー)やその他マネーのプロと一緒に個人の損益計算書(個人資産報告書ともいう)を作成すると良い。これは一定期間内に獲得した(または獲得すると予想される)すべての所得から、毎月反復して発生する経費を差し引いた重要な財務報告書だ。

注記:家賃や電気代など必ず発生する重要な支出は「非裁量支出」とみなされる。

この報告書に計上される所得には、給与、金利、配当、年金、受領済みの事業所得が含まれる。毎月反復して発生する経費としては、住宅ローン、税金、インターネット代、保険などがある。貯蓄口座や退職基金への拠出金といった貯蓄も経費のカテゴリーに入るだろう。

すべての情報を個人資産報告書に記録したら、正味裁量キャッシュ・フローがわかる。これは、すべての経費、貯蓄および税金を支払った後に残るキャッシュ・フローの金額だ。以下はその計算式である。

所得 ─ 貯蓄 ─ 支出 ─ 税金 = 正味裁量キャッシュ・フロー

借金をすべて支払った後にいくら残るか把握するために、正味裁量キャッシュ・フローの計算は欠かせない。裁量所得を最大化するために、何に支出して、どのような貯蓄と投資を行うかはここから判断できる。

注記:個人資産報告書では、変動費と固定費も把握できる。変動費には、休暇のための費用や遊興費が入るだろう。不定期に発生する現金支出は個人資産報告書ではわからない。それらは、別の財務報告書であるキャッシュ・フロー表に記録される。

裁量所得は人によって違うし、時間とともに変化する。例えば、高校生が夏休みに稼ぐ税引後所得は、すべて裁量所得になるだろう。高校生は大抵、両親が他の出費や費用を払ってくれているからだ。だが、大人になって、大学を出てちゃんとした仕事に就くと、自分の所得と借金は様変わりする。そのため、常に自分の所得と支出を見直すことが大事なのだ。

もう一つの経験則は、前年度の支出を見直して、何に支出しているか判断することだ。パーソナル・キャッシュ・フロー表を使えば支出記録をつけられる。「過去を振り返ることは、支出を把握し、その先の予算を決定する最善の方法」と言うのは、イーグル・ロック・ウェルス・マネジメント(Eagle Rock Wealth Management)のトッド・スコルザファヴァ(Todd Scorzafava)CFP®だ。