「食事は規則正しく1日3食」に囚われないほうがいいワケ【専門医が解説】

AI要約

1日3食を守ることが重要だが、毎食腹八分目を意識することがさらに健康的だ。

朝3、昼5、夜2の食事量の割合が理想的であり、夕食には炭水化物を控えめにすることが大切。

食事の調理法は生食や蒸す・茹でる方法がおすすめされる。

「食事は規則正しく1日3食」に囚われないほうがいいワケ【専門医が解説】

 「食事は規則正しく1日3食」と考えている人は多いだろう。1日3食の人の場合、食事量は朝食3、昼食5、夕食2の割合が理想的だ。とはいえ「1日3食」の教えが生きるのは毎食「腹8分目」を守れるような人たちである。日々食の誘惑と葛藤する人に向けて、おすすめの調理法や間食するうえでのポイントを糖尿病専門医の筆者が解説する。本稿は、牧田善二『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)の一部を抜粋・編集したものです。

● 朝3・昼5・夜2が理想 夜のドカ食いは厳禁

 近年は1日2食という人が結構います。でも、1日に食べる総量が同じなら、食事の回数は多いほうが健康に良く、疲れも溜まりにくいのです。なぜなら、一度に摂る糖質量が減り、血糖値の変動が抑えられるからです。

 しかも、2食派の多くが朝食を抜いており、夕食を抜くという人はまずいません。それどころか、夕食にドカンと食べる傾向にあり、次のようなパターンを繰り返します。

 (1)朝は胃がもたれていて食欲がないから、つい抜いてしまう

 (2)朝を抜いたので、ランチタイムは腹ぺこでドカ食いする

 (3)ドカ食いのせいで数時間後に低血糖を起こし、疲労感や眠気、空腹感に襲われる

 (4)低血糖の空腹感で夕方までになにか食べ、夕食の時間が遅くなる。あるいは、空腹を我慢し続けていた分、夜にドカ食いする

 (5)(1)に戻って、朝食を抜いてしまう

 このサイクルにはまると、胃腸がいつも疲れた状態になります。

 また、食事に含まれる糖質の摂取量はどうしても夜に多くなります。しかし、夜は食事を終えたら寝るだけ。寝ている間はエネルギー消費も極端に落ちるので、ブドウ糖の使い道がなく、太りやすくなります。

 一方で、糖質を摂っても、その後すぐに運動すれば血糖値が上がりにくいことがわかっています。朝食や昼食の後は動くことが多いので、夕食後よりは血糖値の上昇を抑えやすいのです。

 1日3食の場合の食事量については、朝食3、昼食5、夕食2の割合が理想です。

 その中で、米飯やパンなどの糖質はなるべく朝食に回し、昼食では定食のようなバランスのいいものをしっかり食べ、夕食は糖質抜きでお酒のつまみ程度で済ませましょう。

 夕食にドカ食いは厳禁。とくに、糖質のドカ食いは厳禁です。

 私は極力、夜に炭水化物を摂らないようにしています。

● 調理法は「生」もしくは 「蒸す・茹でる」がおすすめ

 動物はみんな、なんらかの「餌」を食べて命を繋いでいますが、火を加えて調理するのは人間だけです。

 しかも、“最近の”人間だけです。