車が水没し閉じ込められたら…ヘッドレストで窓ガラスを割る 冠水した道路「行けるかも」は危険
大雨での冠水した道路での車の通行に関する注意点。エンジン停止や脱出困難な状況が生じる可能性があることを示唆。
浸水した車からの脱出が困難な状況を実験で明らかにし、安全確保の重要性を強調。
車の窓ガラスを割る方法や、ライフハンマーの活用による脱出手段について紹介。
大雨で気を付けなければならないのが、冠水した道路の通行。「これくらいなら行けるかも」という判断が危険を招くことも!
去年、愛知県豊川市で撮影されたドライブレコーダーの映像。車が冠水した道路を進もうとしますが…
(運転していた男性)
「あーだめだ。冠水でエンストして車止まってもうた。浮かんでいる。プカプカプカプカしている。どうにもならんわ」
JAFによると車の構造にもよりますが、15センチの水深でも、エンジンが止まる可能性があるということです。
ことし8月、長野県松本空港近くのアンダーパスでは。
(車に閉じ込められた人)
「早く来て!舟がないと出られない!」
水没したアンダーパスに誤って進入するなど、車が水没して止まると、脱出は困難になります。
■浸水した車からの脱出実験
50センチ水没した車の中から脱出できるのか。
京都大学防災研究所で実験しました。
(斉藤初音アナウンサー)
「運転席の方を開けてみます。あ、ものすごい勢いで水が流れ込んできました。かなり強い力をドアにすべてぶつけて、なんとかドアを開けることができましたが、開けた瞬間から水が流れ込んできました。かなり勢いも激しくて、ここから動くのも避難するのも難しい状況です」
■スライドドアはびくともせず…
バンタイプの車の、後部座席のスライドドアはどうでしょうか。
(斉藤アナウンサー)
「あれ?何度押しても扉がびくともしません」
(京都大学防災研究所 川池健司教授)
「(スライドドアは)いったんドア全体を外に押し出してからスライドさせる仕組みだが、スライドしてくれる所まで押し出すことが難しくなってしまう。冠水している道路では『これぐらいなら横切れるだろう』などと思わないで、冠水している所には原則入っていかない」
■スマホや傘で…車の窓を割る実験
車が水没しドアも開かず、パワーウインドウも作動しない場合、ガラスをどう割ったら脱出できるのでしょうか?
(小川健太記者)
「まずは空き缶これは絶対に無理。スマホは手が痛くなる。傘は…折れてしまった」
窓ガラスはびくともしません。そんなとき役立つのがヘッドレストの金属部分です。
(小川記者)
「窓枠に差し込んで、少しドアとガラスの間がずれてきた。てこの原理で…割れました…!これで外に出られる」
叩いても割れなかった窓ガラスは、てこの原理で割れました。
■「ライフハンマー」なら女性や高齢者でも…
(JAF 宮澤俊一さん)
「ヘッドレストが取れない場合や、高齢者や女性だと力がなくて割れないこともある。必ずライフハンマーを持って割るように。一点集中型で窓の四隅を割ると割れやすい」
窓ガラスを割る方法はあったとしても、まずは冠水している道路に入って行かないことが大切です。