木村花さんへのSNS中傷、請求棄却 証拠画像「捏造の可能性」 大阪地裁

AI要約

プロレスラー木村花さんがSNSの中傷を苦に自殺した問題に関連した訴訟の判決が出た。裁判長は証拠画像の捏造が疑わしいとして母響子さん側の請求を棄却し、親子側の損害賠償請求も退けた。

木村花さんはSNS中傷を受け自殺し、母響子さんが中傷投稿者の特定を試みた。一つのIPアドレスが大阪府の女性に割り当てられたことが判明した。

裁判長は投稿画像の出所や形式に疑問を呈し、捏造の可能性を指摘。捏造に気付くのが困難だったため、責任の所在を特定することは難しかった。

 プロレスラー木村花さんがSNSの中傷を苦に自殺した問題を巡り、母響子さんが大阪府の女性ら親子4人に対し、中傷の投稿者だとして約300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁であった。

 山本拓裁判長は、中傷の証拠として提出されたスクリーンショット画像について「捏造(ねつぞう)された可能性を否定できない」として、響子さん側の請求を棄却した。

 一方、親子側は響子さんの提訴により精神的苦痛を負ったとして、880万円の損害賠償を求めて逆に提訴していたが、山本裁判長は「捏造されたと容易に知り得たとまでは認められない」と退けた。

 判決などによると、花さんはフジテレビの番組「テラスハウス」に出演した際、SNSで大量の中傷を受け、2020年に自殺。響子さんが発信者情報開示請求を行った結果、中傷したアカウントにログインした複数のIPアドレスのうち、一つを割り当てられた契約者が大阪府の女性だと判明した。

 山本裁判長は、スクリーンショット画像について、投稿日時が表示されていないなど形式が不自然で出所も不明なことから、親子側の投稿と認定できないと判断。一方、画像が捏造されたものと気付くのは困難だったとして、響子さん側の責任も否定した。