きのこの里フェスティバルで4000人分の「ジャンボきのこ鍋」…愛別町・あの街行く北海道

AI要約

きのこの里フェスティバルが開催される。目玉はジャンボきのこ鍋で、材料のきのこは町産の5種。イベントを通じて町の味覚を楽しめる。

急傾斜の地形が多い愛別町で美容と健康に良いスーパーフードが台頭。ビーツ、アロニア、ラズベリーが特産品として注目されている。

愛別町は農業が中心で、エノキとなめこの生産量が道内のシェア約8割を占めている。町名の由来はアイヌ語の「アイペット」とされる。

きのこの里フェスティバルで4000人分の「ジャンボきのこ鍋」…愛別町・あの街行く北海道

 きのこ好きにはたまらない「第38回あいべつ きのこの里フェスティバル」が9月8日に愛別町農村公園で開催される。例年、町の人口の3倍超の約8000人を集めるイベントの目玉は、巨大な鍋で4000人分を作る「ジャンボきのこ鍋」だ。

 直径3・5メートル、深さ2メートルの鉄鍋は圧巻のサイズで、第3回の頃から使い続けているという特注品。普段は町内のとある倉庫に保管されているが、年に一度お目見えする。輸送には鍋をつり上げるためのクレーン搭載のトラックが必要で、準備もかなり大がかりとなる。

 材料のきのこは、町で採れたエノキ、なめこ、マイタケ、しいたけ、しめじの5種で、4000人分に必要な量はおよそ270キロ。数百キロ分の木炭を使って湯を沸かし、味噌、きのこを入れてグツグツ。15人体制で交代しながら3時間ほどで完成する。

 具だくさんのきのこ鍋は一杯200円。100升の米を大釜で炊き上げた「百姓一揆炊き」(150円)の白米ともよく合う。愛別産牛肉150グラムと4種のきのこを盛り合わせた、2000食限定の焼肉セット(前売り券2000円、当日券2500円)も準備しており、町の味覚がたっぷり。実行委員会の中田尚靖委員長は「ぜひ自慢のきのこ鍋を食べに来てください」とPRする。今年は町開拓130年目の節目で、景品がもらえるスタンプラリーなどアットホームな企画も用意している。

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 きのこ以外に近年、新たな町の特産品として台頭しているのが美容と健康に効果があるとされるスーパーフードだ。野菜のビーツ、果実類のアロニア、ラズベリーの3種で、これから収穫が本格化する。

 カブの一種のビーツは葉酸や鉄分などの成分を多く含有し、「食べる輸血」と呼ばれる。ベリー系のアロニアは食物繊維を始め、ポリフェノールなどが豊富で、加工品のソースやドレッシングは肉料理にも合う。健康食品として「町を挙げてのPRも進んでいます」(愛別商工会)という。

 ◆愛別町 上川地方中部に位置する人口2442人(7月末現在)の町。明治28年(1895年)に入植者による愛別原野の開拓が始まる。分村を繰り返し、1961年に愛別町に。町名は急傾斜の地形が多く、川の流れが速いことからアイヌ語で矢の川という意味の「アイペット」が由来という説がある。稲作が農業の中心だが、エノキとなめこの生産量は道内のシェア約8割を占める。