4年前の“熊本豪雨”に匹敵か 台風10号“迷走”で起こる被害は
台風10号が日本列島に大きな被害をもたらしています。九州や四国では記録的な大雨が降り、大きな河川の氾濫や住宅の浸水・倒壊が発生しています。
台風の進路が迷走しており、東海や関東地方にも大雨の影響が及ぶ恐れがあります。大雨の終わりが見えず、土砂災害などの危険も指摘されています。
専門家は早めの避難を呼びかけており、川の近くや斜面に住んでいる人々は注意が必要です。
列島を横断している台風10号。
進路が迷走していることで、このあとどのような被害が想定されるのでしょうか。
鹿児島県に上陸した台風10号。
宮崎市では竜巻とみられる「突風」が吹きました。倒れた電柱が住宅を直撃しています。
ここでも…
ここでも…
風による被害です。
竹と格闘する男性。倒れて道をふさいでいました。
(平手志歩アナウンサー報告)
強風の影響でしょうか。こちらの建物は完全に崩れてしまっています。もともとの建物がどういう造りだったか、全くわからないような状態です。
こちらでは飛んできた屋根が道路をふさいでいます。
台風の影響は、九州以外のエリアにも。
(山木翔遥アナウンサー報告)
30分ほど前から強い雨が降り続いていたんですが、2車線ある車道が一気に水浸しに。車も大きな水しぶきをあげながら徐行して走っている状況です。
(岡本祥一記者報告)
午前11時半の松坂市内です。非常に強い風と雨が降っています。病院の駐車場を見てみると、一部が冠水していて駐車場が使えない状態になっています。
(三宅優衣ディレクター報告)
午後2時の高知市内です。ものすごい雨が降り始めました。道路を波打つような雨の降り方です。視界もかなり悪くなっています。
高知市内の寺院では幕の撤去作業が行われています。
敷地外から流れ込んでくる大量の水。
(内野航アナウンサー報告)
宇佐市の駅館川です。かなり水が濁っていて水位が上がっているのが確認できます。
ゆっくりとした速度で九州を縦断する台風10号。
迷走する台風は今後、どのような被害をもたらすおそれがあるのでしょうか?
今村涼子気象予報士
「今後の警戒点は特に大雨被害が拡大。そして大規模になることが考えられる」
まず、今まさに警戒が必要なのが、すでに台風が上陸している九州、そして四国です。
今村涼子気象予報士
「すでに九州方面など記録的な大雨になっていて、九州では500ミリ以上
各地で降っていて、中には800ミリを超えているところも。総雨量として1000ミリを超えるところが各地で出てくることが考えられる」
今回、予想される雨量と同じ規模の雨が降ったのが、4年前に起きた熊本豪雨です。
(和田侑也アナウンサー報告)
熊本県球磨村の上空です。画面の中央、赤い橋が横たわっています。おそらくここには橋がかかっていたと思われますが、球磨川の氾濫によって飲み込まれてしまったんでしょうか。
濁流は巨大な橋をあっという間に飲み込み…
(和田侑也アナウンサー報告)
画面の上のほうには住宅もありますが、完全に冠水してしまっています。住宅の1階部分が浸水しています。そして、こちらの住宅はもう倒れてしまっています。住宅がひっくり返ってしまっています。もともとの川の部分がいったいどこなのかわかりません。
2020年7月、熊本県を流れる球磨川が氾濫。周辺では6000軒以上が浸水しました。
今後降ることが予想されている雨は、4年前に甚大な被害をもたらしたこの豪雨と同等か、それを超えるおそれもあるといいます。
今村涼子気象予報士
「そうなると大きな川が氾濫することが考えられる」
すでに各地で川の増水は確認され始めています。
(新岡智昭アナウンサー報告)
由布市を流れる大分川です。水の量、そしてその勢い、かなり激しいものになっています。あちらの橋はすでに通行止めになっていますが、濁流が橋脚を叩き続けています。
大分の由布市を流れる大分川。普段の流れは穏やかですが茶色い濁流に姿を変えています。
さらに、週末にかけて警戒が必要なのが、東海と関東にかけての広い範囲です。
今村涼子気象予報士
「これから大雨の中心となるのが東海や関東の山沿い。東海方面でも、すでに多いところで300~400ミリ降っている。週末にかけて、倍以上の雨が予想されている。東海方面でも大規模な土砂災害が起こる恐れがある」
大雨の終わりは見えないといいます。
今村涼子気象予報士
「今回の台風は、動きが遅いのが厄介。台風による大雨が終わりが見えていない状況。活発な雨雲が長時間かかるのが大雨被害にとっては最悪のパターン。そういう状況が少なくとも週末にかけて続いてしまう。川の近く・斜面の近くの住人は危険を感じたら早めに避難する」
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