男性向け性玩具で「2年間痴漢しない努力した」 被害対策団体に「使用済み」送り付け…代表女性「性犯罪に問えないのはおかしい」

AI要約

痴漢被害対策団体に使用済みの性玩具が送られる

送り主は痴漢を防ぐために性欲を解消していた男性で、団体を支持する手紙を添えて送った

警察による被害届の受理が拒否され、代表は法的責任を追求できずに怒りを感じている

男性向け性玩具で「2年間痴漢しない努力した」 被害対策団体に「使用済み」送り付け…代表女性「性犯罪に問えないのはおかしい」

電車の痴漢被害対策に取り組む団体に突然送り付けられたのは、「2年間使った」という使用済みの男性向け性玩具だった。

「自分が痴漢しないために性欲を解消した。あなたたちの活動を応援している」といった内容の手紙も同封されていた。

言いようのない不快な出来事にショックを受けた団体の代表は、警察の捜査を求めたが、被害届は受理されなかった。

「はっきりとした性加害です。罪に問えないのは、法律がおかしい」

代表の松永弥生さんは「法的責任を追求できないやり場のない怒り」を感じている。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

今年7月、一般社団法人「痴漢抑止活動センター」(大阪市)に一通のレターパックが送られてきた。表書きの品名には「応援の手紙、プラスチック製玩具(贈答品)」と書いてある。

代表をつとめる松永さんが開封したところ、男性向けの性的な道具があった。

あっけに取られる松永さんだったが、同封されていた手紙に目を通してみると、送り主の男性は団体の活動を2年前に知ったと書かれていた。

「痴漢がその後の女性の人生に大きく影響を与える重大な事象であるという事を知りました」

「自身が男性である以上、もしかしたら痴漢を犯してしまう可能性があるのではないか(~中略~)恐怖を感じました」

書き出しにあった男性の不安については、松永さんも理解できるところだったので、そのまま読み進めていくと、困惑するような記載があった。

・電車や駅構内にいる女性の体や下着を見てしまう

・痴漢してしまうかもしれないので、あらかじめ性欲を解消するため、2年間ほぼ毎日、電車に乗る前に男性向け性玩具を利用した

手紙の内容をそのまま記載することは避けるが、送り主の性癖があらわにされ、性玩具の詳細な使用感の解説まで長々と書かれてある。

この手紙を送った意図は、痴漢にならないための努力をしている者がいることを団体にわかってほしいとの思いがあるからだという。その証拠として性玩具を添えたとしている。

今後も毎日の性欲解消を続けていきたいとし、団体を応援する言葉で手紙は結ばれる。

松永さんによると、透明なビニール袋に包まれた性玩具は、外側の樹脂がボロボロになり、使い込んだ形跡がみられたという。