NHKが国際放送で「尖閣諸島は中国の領土」と発言し波紋…外国人労働者が増える日本で起きる「重大な問題」

AI要約

NHKラジオの中国語ニュースで尖閣諸島について中国の領土と発言したスタッフが不適切な発言をしたことが判明し、NHKが謝罪した。

日本に在留する中国人の増加や永住者の存在について述べられ、永住者についての説明も行われた。

マスコミ業界における中国人の活躍や今回の事件を受けた日中関係についても言及された。

NHKが国際放送で「尖閣諸島は中国の領土」と発言し波紋…外国人労働者が増える日本で起きる「重大な問題」

8月19日、NHKラジオの国際放送と、ラジオ第2で生放送された中国語ニュースの中で、ニュースを読んでいた中国籍の外部スタッフが、沖縄県の尖閣諸島について、「中国の領土である」と発言をしたことが発覚。NHKが同日夜の番組で謝罪した。

NHKによると、このスタッフは関連団体が業務委託契約を結んでいる40代の男性。

NHKは関連団体を通じて本人に厳重に抗議、関連団体はこの男性との契約を解除する方針だとし、「ニュースと無関係の発言が放送されたことは不適切であり、深くお詫び申し上げます。再発防止策を徹底します」というコメントを発表した。

報道後、日本のSNSでは「NHKがこのような国益を損なう放送をしたことは重大な問題」などと批判が相次いだが、中国のSNSでは「よくやった」などの投稿があった。

もともと原稿(台本)に書いていなかったことを、なぜこの中国人の男性が発言したのか。靖国神社で見つかった中国語の落書きに関するニュースのあとの発言だったとのことだが、詳細は明らかになっていない。

日本ではNHKの責任を問う声が大きいが、この一件が起きたあと、私が感じたことは2つある。本件と直接関係ないことだが、1つ目は現在の在日中国人についてだ。

法務省の統計によると、2023年末時点で、日本には約82万人の中国人が住んでいる。

これは全在留外国人の約3分の1に当たり、6年前の2017年より9万人以上も増加している。在留資格別でみると、最も多いのが「永住者」で約33万人、次に多いのが「留学」で約13万4600人、他に「技術・人文知識・国際業務」が約9万2000人、「家族滞在」が約7万6000人などとなっている。

同事件の40代の中国人男性が、どのような在留資格で日本に住んでいるのかわからないが、20年以上のベテランスタッフだったという報道があるので、「永住者」である可能性がある。

出入国在留管理庁によると、「永住者とは、在留活動、在留期間のいずれも制限されないという点で、他の在留資格と比べて大幅に在留管理が緩和される」とある。

一般企業に勤務する「会社員」の場合、当初は上記の「技術・人文知識・国際業務」などの資格を得て働くことが多いが、長く滞在しているうちに「永住者」に変更するケースがある。他に日本国籍を取得することもある。「永住者」や「日本人」になれば、より生活しやすくなるからだ。

東京都内だけみても、大手、中堅、中小企業に勤務している中国人は、ここ数年で非常に増えた。業務内容も国際業務や貿易など「中国」に関するものだけでなく、営業、総務、経理、広報、研究開発など、ありとあらゆる部署、部門に中国人社員が在籍している。

むろん、マスコミも例外ではない。新聞、出版、放送、広告業界にも中国人がおり、私も彼らと直接仕事をしたことが何度もある。日本生まれ、日本育ちで日本語がネイティブの中国人もいるが、中国生まれ、中国育ちで、留学のため来日し、そのまま日本で働いているという中国人もいる。今回の男性も、マスコミ業界の一角で働いていた。