猫カフェに「成人向けビデオの音」を流す「迷惑電話」→「法的措置を検討」 どんな罪に問われる?

AI要約

猫カフェのアカウントが、保護猫カフェに対する迷惑な行為を告発し、法的措置を検討すると発信し、注目を集めました。

迷惑な電話に関する神奈川県迷惑行為防止条例や軽犯罪法について解説され、違反すると懲役や罰金の対象になる可能性が示唆されています。

被害者の性的羞恥心を害する電磁的記録を送付し、聴覚により認識される行為が禁止されており、これに触れると50万円以下の罰金や懲役の対象となることが解説されています。

猫カフェに「成人向けビデオの音」を流す「迷惑電話」→「法的措置を検討」 どんな罪に問われる?

「法的措置を検討します」

普段はかわいい猫の様子を投稿している猫カフェのアカウントが、Xで厳しい言葉を発信し、注目を集めました。アカウントは、横浜市にある「猫カフェmfmf」(@catcafemfmf)です。いったい、何があったのでしょうか。

投稿は8月14日にされたもので、「お盆休みに保護猫カフェに電話かけてきてAVの音声流すなどのイタズラ」があったといいいます。

弁護士ドットコムにも、「会社にわいせつな声のいたずら電話がかかってきて迷惑している」「女性スタッフを狙って、いやらしいことを言う電話が職場にかかってくる」といった相談が複数、寄せられています。

こうした迷惑な電話は、どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。

――猫カフェの投稿では、神奈川県の迷惑防止条例にあたる可能性を指摘しています。

こうした迷惑行為は、神奈川県迷惑行為防止条例11条に違反する可能性があると考えます。

11条では「何人も、正当な理由がないのに、特定の者に対し、次に掲げる行為を反復して行ってはならない」と規定し、「その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物若しくはその性的羞恥心を害するものを視覚若しくは聴覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと」も禁止しています。

神奈川県迷惑行為防止条例は、公衆に著しく迷惑をかける行為を防止するための条例です(1条)。今回のケースでは成人向けビデオの音声を電話回線を通じて猫カフェの店員に聞かせようとしたわけですが、成人向けビデオの音声データは人の性的羞恥心を害する電磁的記録ですし、電話回線を通じて流すという方法により被害者の聴覚により認識されることになりますので、これを反復しておこなえば、神奈川県迷惑防止条例に違反するのではと考えます。

違反した場合は、「6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です(15条2項)。

また軽犯罪法の業務妨害(1条31号)に違反する可能性もあります。