ホテルの“バイキング”起源は北欧?名付け親は…帝国ホテルだった!
日本のホテルで使われる横文字の中で海外では通じないものを外国人観光客に聞いて検証。
バイキングの意味が海外では通じないことが判明し、その起源は帝国ホテルにある。
帝国ホテルが北欧式食べ放題のレストランを開設し、「インペリアルバイキング」と名付けた経緯。
ホテルでは様々な横文字を使いますが、その中には海外では通じないものもあります。どんな言葉が通じないのか分かりますか?
どれもよく耳にする言葉だと思いますが、「(1)カードキー」「(2)ハイシーズン」「(3)バイキング」の中で海外で通じないものがあります。
一体どの言葉が通じないのか?日本を訪れている外国人観光客に話を聞いて検証しました。
イタリア出身
「(Q.『カードキー』は知ってますか?)カードキー?知ってますよ!私たちの国にもカードキーありますよ」
「(Q.『ハイシーズン』は知ってますか?)価格が上がる時期ですか?ハイシーズンも知っていますよ」
「(Q.最後に『バイキング』は知ってますか?)バイキング?サイクリングに行くみたいな感じかな?」
アメリカ出身
「バイキング…?」
「自転車に乗るって意味?」
ということで、外国人に通じなかったのは「(3)バイキング」でした。
みなさん、「viking」を「biking」だと思ってサイクリングと勘違いされる人が多いみたいです。だから、海外でバイキングと言うと自転車を用意されてしまうかもしれませんね。
食べ放題を意味するバイキングは、日本生まれの和製英語です。ではなぜ日本ではバイキングが“食べ放題”という意味を持つようになったのでしょうか。
その起源を調べたところ、名付け親が分かりました。それが、明治時代に創業した名門「帝国ホテル」です。
和製英語のバイキングが生まれたのは1950年代です。このころの帝国ホテルは新館オープンの目玉となるレストランを作ろうと考えていました。
そこで当時の犬丸徹三社長が「スモーガスボード」に注目しました。これは北欧の伝統料理で、皆で料理を持ち寄って好きなだけ食べるスタイルです。今のバイキングと通ずるものがありますよね。
「スモーガスボードで行こう」と決まりましたら、当時の社長はパリで修行しているシェフをデンマークに向かわせ、本場のスモーガスボードを研究させます。
さらに現地の料理人など3人を帝国ホテルに招き、日本のスタッフに指導もしてもらったということです。
そして満を持して1958年8月、“北欧式食べ放題”レストランがオープンしました。このレストランの名前が「インペリアルバイキング」だったんです。