オーバードーズの女性放置、罪に問われた医師に無罪判決 東京地裁

AI要約

医師が昏睡状態の女性を放置して保護責任者遺棄の罪に問われた事件で、東京地裁が男性を無罪と判決した。

女性は薬物摂取後に昏睡状態に陥り、男性が部屋を出た後に死亡したが、男性が女性の状態を認識していたかは疑わしいとされた。

判決は、女性の意識レベルや動画の検討から、男性に罪が問えないと結論づけられた。

 ホテルの部屋で昏睡(こんすい)状態になった女性(当時38)を放置したとして、保護責任者遺棄の罪に問われた医師の男性(50)の判決が20日、東京地裁であった。石川貴司裁判官は、男性が部屋を出た時点で女性が昏睡状態だったかは「合理的な疑いが残る」と述べ、男性を無罪とした。

 判決によると、男性は2021年6月10日夜、女性や他の2人と東京都内のホテルで薬物を摂取。女性は翌朝、反応しない状態になり、男性が部屋を退出した後に死亡した。

 判決は、男性の退出後に他の2人が撮影した動画などを検討し、当時の女性の意識レベルが救急車を呼ぶ必要があるほどだったとは言えないと判断。男性が女性の状態を認識していたかどうかも「疑問が残る」とし、罪には問えないと結論づけた。(金子和史)