悩みがあっても「労組はちょっと怖い」? フリーランス新団体が発足「問題解決の受け皿になりたい」

AI要約

フリーランス新法が11月に施行される。フリーランスの実態を探るために設立された日本フリーランスリーグについて、理事長の西野ゆかりさんが活動内容や背景について語る。

西野さんは連合でフリーランス支援をしていたが、労働組合とは異なる立場でのアプローチが必要だと感じてフリーランスリーグを立ち上げた。さまざまな業界での課題を抱えるフリーランスに対し、支援活動を行っている。

労働法による拠り所のないフリーランスの問題に取り組んできた経験をもとに、Wor-Qサポートセンターやアドバイザリーボード設置などを通じてフリーランスへの支援を行ってきた西野さんの取り組みに注目が集まっている。

悩みがあっても「労組はちょっと怖い」?  フリーランス新団体が発足「問題解決の受け皿になりたい」

フリーランス保護のための法令「フリーランス新法」が11月に施行される。フリーランスと一口に言っても取引先との契約形態や、業界によって、働き方はさまざまで実態はよく分かっていないところも多い。

そうしたフリーランスの働き方の実態を調査し、政策提言につなげようと2024年4月にフリーランスの団体「一般社団法人 日本フリーランスリーグ」が設立された。団体のアドバイザーには棗(なつめ)一郎弁護士ら労働系弁護士も名を連ねる。理事長の西野ゆかりさんに既存の団体との違いや、活動内容について聞いた。(ライター・国分瑠衣子)

――西野さんは、日本労働組合総連合会(連合)でフリーランスの支援をしてきました。なぜあらためてフリーランスリーグを立ち上げたのでしょうか。

「フリーランスが抱える多くの問題を解決していくときに、労働組合から離れた立場で取り組む必要もあると思ったからです。私は2023年9月まで連合で、フリーランスの課題を解決する『Wor-Qサポートセンター』(以下Wor-Q)の運営を担っていました。それまでも長く労働組合の活動に携わり、労働法の下での労働者の人たちの声を聞いてきました」

「労働法のような拠り所のない、フリーランスの人たちから報酬支払いの遅延や、一方的な仕事内容の変更、不当に低い報酬などの問題を聞いて、初めてこんな実態があるのかと驚きました。業界によって課題が異なり、簡単ではない問題です。Wor-Qでは弁護士への相談サポートや、当事者や業界団体の担当者たちでつくるアドバイザリーボードの設置などでフリーランスを支援しました」

「連合という労働組合の中でフリーランス支援を行うことは、発注する会社側と交渉しやすくなるなど、意義があることだと思います。一方で、フリーランスの人たちから『労働組合は敷居が高い』とか『労働組合はちょっと怖い』という反応があったのも事実です。『連合です』と業界団体に話を聞きに行くと、断られたこともありました」