明治の日本を写した英国人一家の写真が120年ぶりの「帰国」

AI要約

明治期後半に日本に暮らした英国人スクワイア家の遺品の特集展示が国立歴史民俗博物館で開催されている。家族写真や日本土産など約40点の展示品から当時の空気が伝わる。

英国人技術者ジョージ・スクワイアとその家族が九州・小倉で暮らした様子や日本文化への関わりが展示されており、家族写真や日本の工芸品などが特に注目されている。

遺品は姉妹が亡くなった後にダラム大学東洋博物館に寄贈されていたが、今回、歴史民俗博物館で120年ぶりに展示され、当時の面影を伝えている。

明治の日本を写した英国人一家の写真が120年ぶりの「帰国」

 明治期後半の日本に暮らした英国人スクワイア家の遺品の特集展示が、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で始まった。一家と親しかった写真館が手がけた笑顔の家族写真や日本土産など約40点の展示品からは、時代の空気が伝わってくる。10月6日まで。

 英国人技術者ジョージ・スクワイアは、九州・小倉の製紙工場に近代的製紙技術を伝えるために1898(明治31)年に来日。その後、英国から妻リディアと幼い娘2人も合流し、一家は小倉の日本家屋で約3年間暮らした。地元の森山國蔵写真館で定期的に家族写真を撮り、写真館の子に英語を教えるなどした。一家が帰国後も長く交流が続いた。

 家族写真のほか、娘たちに買い与えた人形や、日本人の英語学習用に当時流行したおとぎ話の縮緬(ちりめん)本、帰国後に集めた日本の工芸品など一家が大切に保存していた品々は、1980年前後に姉妹が亡くなった後、近くのダラム大学東洋博物館に寄贈された。それが今回、同大と歴史民俗博物館の共同主催の展示で、120年ぶりの「帰国」を果たした。