「20万円で命は保証」…暴力背景に犯罪強要 トー横キッズ脅した男、支配の構図 法廷から

AI要約

東京・歌舞伎町の「トー横」で起きた監禁・恐喝事件の公判が始まった。被告は無実を主張し、共犯者との関係が焦点となっている。

検察側によれば、徳永被告や共犯者はトー横キッズを犯罪に巧妙に誘い込む構図を持っていた。事件の発端は特殊詐欺の勧誘から始まり、トラブルがエスカレートした。

被害者は車のトランクに監禁され、現金を脅し取られた。事件の背後には暴力を背景とした支配の構図が垣間見える。

「20万円で命は保証」…暴力背景に犯罪強要 トー横キッズ脅した男、支配の構図 法廷から

若者が集い、性犯罪や薬物、粗暴事件などの温床とされる東京・歌舞伎町の「トー横」。ここに出入りしていた当時18歳の男性を監禁し、母親から現金を脅し取ったなどとして、監禁や恐喝などの罪に問われた徳永晋太郎被告(39)の公判が東京地裁(四宮知彦裁判官)で始まった。検察側が法廷で明かしたのは、暴力を背景としてトー横キッズを巧妙に犯罪に誘い込む「支配の構図」だった。

■「私じゃない」

事件が発生したのは、令和5年3月6日未明のことだ。

起訴状などによると、徳永被告は共犯者とともに男性を車に乗せ、トランクの中に監禁。さらに男性の母親を脅し、現金20万円を奪ったとされる。

7月31日に地裁で開かれた初公判。車いすで入廷した徳永被告は、裁判官から起訴内容への認否を尋ねられると、覇気のない声でこう答えた。

「トランクに閉じ込めたのは、私じゃない」

被告は続いて、共犯者として懲役5年6月の判決が言い渡されている暴力団員、三枝丈人被告(38)に言及。「三枝さんが一人でやりました。恐喝は一切していないです」と述べた。

■発端は別のキッズ

無罪を主張する徳永被告側に対し、検察側は冒頭陳述で、トー横界隈(かいわい)で「徳さん」と呼ばれていた徳永被告や三枝被告が、ホテルなどで寝泊まりするトー横キッズたちの宿泊代などを支援する代わりに、犯罪に加担させる構図が背景にあったと言及した。

検察側によると、事件につながるトラブルの発端となったのは、被害者とは別の2人のトー横キッズだった。

両被告は、2人に特殊詐欺の出し子や受け子の仕事を持ち掛けた。高齢者からだまし取った金の15%を報酬として渡す、という条件だったといい、ほかにも大麻や違法薬物の密売もさせたという。

だが、薬物の売上金約8万円を巡り、徳永被告らと2人のうち1人の男性がトラブルに。この男性をかくまった疑いをかけられたのが、今回、車のトランクに監禁された被害者だった。

■「最期に聞きたい曲は」