「問題の根深さ物語っている」 大阪高裁が検察組織の姿勢を厳しく批判

AI要約

プレサンスコーポレーション元社長の無罪が確定した事件で、検事に対する厳しい批判が行われた。

検事の取り調べにおいて威圧的で侮辱的な言動が問題視され、組織全体の姿勢も批判された。

録音録画導入の重要性や組織としての取り組みが求められているという教訓が示された。

「問題の根深さ物語っている」 大阪高裁が検察組織の姿勢を厳しく批判

プレサンスコーポレーション元社長の無罪が確定した事件で、捜査に関わった田渕大輔検事を審判に付するとした8日の大阪高裁決定は検事個人だけでなく、「威圧的、侮辱的な言動を一方的に続けた」取り調べを実質的に黙認した検察組織全体の姿勢を厳しく批判した。

「反省しろよ、少しは」「どういう神経しているんですか」。関係者への取り調べで、こう発言した田渕検事。大阪高裁は、取調官としての職権行使の範疇(はんちゅう)を超えたと判断した。

こうした取り調べは録音録画されており、組織内で検証可能だった。しかし、決定によると、検察内部で指導や処分をした形跡はないといい「深刻な問題として受け止められていないこと自体が、問題の根深さを物語っている」と指弾した。

さらに録音録画導入の契機が平成22年に発覚した大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件であることに言及。「個人の資質や能力にのみ起因するものと捉えるべきではない。改めて今、捜査・取り調べの運用について組織として真剣に検討されるべきである」と指摘し、教訓の形骸化に警鐘を鳴らす決定といえる。