【独自】「これガチだよ」日大ラグビー部で先輩が後輩に大麻強要か…元部員が証言「大麻吸ってみる?」大学「大麻の情報も証拠も得られず」

AI要約

2022年に日本大学ラグビー部の寮で新入部員が大麻のような物を吸わされたと訴える事件が浮上。

元部員は退部し、大学も自ら退学。外部調査では大麻使用者の噂はあったものの具体的な証拠はなかった。

日本大学は薬物犯罪予防のため様々な対策を講じているが、元部員は自らのラグビー人生が奪われたことに悲嘆を示している。

【独自】「これガチだよ」日大ラグビー部で先輩が後輩に大麻強要か…元部員が証言「大麻吸ってみる?」大学「大麻の情報も証拠も得られず」

2023年、アメフト部での大麻問題で揺れた日本大学に新たな問題が浮上した。

2022年に東京・稲城市にあるラグビー部の寮で新入部員が先輩から複数回にわたって大麻のようなものを吸うよう強要されたと訴えていることが、FNNの取材で明らかになった。この部員は退部したうえ退学していて、悲痛な胸の内を語った。

「先輩たちは、20歳超えてるのでタバコ吸ったり、酒飲んだりしてる。その時にいきなり『大麻あるけど吸ってみる?』ということがあって」

こう話すのはFNNの取材に応じた日本大学ラグビー部の元部員。おととし夏頃に東京・稲城市にある寮の屋上で、先輩から大麻のようなものを吸うよう強要されたという。

「「僕は『吸わないです』と、ずっと『大丈夫っす』と断っていた。でも、なんか『いいから』と。紙で巻かれているようなものを見せられた。『これガチだよ』と言われて、なんか離れようと、逃れようとしていた。2、3回あった。やだ、やだ、やだって感じだった」

当時未成年だったこの元部員は酒や大麻とみられる物を強要される環境から逃れるため、退部を決意したという。

「タバコ、お酒、大麻の強要だったり、そういうのがあって、自分の環境に合ってない。それで僕はやめましたね。その時の監督は『やめるなら、やめろよ』という感じだった」

薬物問題について監督は把握していなかったのか尋ねると、元部員は「監督が動かない感じだったので言っても何にもならないし、どうせ隠蔽するだろうなと思って」と相談できなかった理由を説明した。

ラグビー部の大麻問題について、日大の外部調査委員会は2024年1月に公表した報告書で「大麻を吸っている者がいるという噂を聞いたという者は5名(現役学生を含む)」などと指摘。この指摘を受け、大学は調査を行い「目撃談など根拠のある『噂』について証言する者はなかった」「尿検査で全員の陰性を確認した」としている。

大学の対応に不安を感じたこの元部員はその後、ラグビー部からの退部のみならず大学も自ら退学したという。

小学生のころからラグビーの練習に励んでいた元部員は、大切なラグビー人生を奪われたと訴えている。

「良い環境でラグビーをするのが一番自分が輝けると思った。こんなんでラグビー消えるん?こんなに積み上げてきたのに、そんなことでラグビーできなくなるのは辛いです。僕みたいなこういう人が増えて欲しくない」

両親にラグビー部を辞めたいと打ち明けた時には、涙が止まらなかったという。

大学側が寮の生活環境を改善し、部員を守ることはできなかったのか。

この問題について日本大学はFNNの取材に対し、「お尋ねにある学生と本学が認識している学生が同一人物かどうかは分かりませんが、本学では、2022年~2023年にかけて、ラグビー部内に大麻使用者がいる疑いがあると指摘する人がいたため、競技スポーツ部(当時)及び執行部で情報を共有し、対応をしてきました。

ラグビー部内で発生した別件不祥事に関して2023年度に実施した外部調査委員会による調査結果を踏まえ、改めて、全部員を対象としてアンケート(匿名での回答も可とする)を実施して情報を収集した上、弁護士による聴き取りを実施し、抜き打ちの薬物検査も実施しましたが、結論として、部員の中に大麻を使用している人や誰かに勧める人がいると判断するに至るような信用性のある具体的な情報も証拠も得られませんでした。

以後も、不定期に薬物検査をするなどして、薬物犯罪の予防に努めています」とコメントしている。

ラグビー部をめぐっては、2022年に寮内で部員がスプレー缶とライターを使ってガスバーナーの様な炎を他の部員に向ける事件もあり、関与した元部員2人が警視庁に書類送検された。