【14歳の金メダリストに学ぶ】子どもの才能をぐんぐん伸ばす家庭の「3つの教育方針」とは?

AI要約

14歳の吉沢恋選手がパリ五輪で金メダルを獲得し話題となる。親がどのようにサポートしたか、吉沢選手の成育環境に注目が集まる。

功さんが娘に選手生活を続けるよう励まし、スケボーの重要性を伝えた。親のサポートや励ましは、金メダル獲得に大きな影響を与えた。

子育てには愛情と献身が必要だが、効果的な関わり方は日々模索する過程である。才能を開花させる家庭に共通する教育方針も存在する。

【14歳の金メダリストに学ぶ】子どもの才能をぐんぐん伸ばす家庭の「3つの教育方針」とは?

 パリ五輪で話題沸騰! 14歳の金メダリスト・吉沢恋選手はなぜ世界の頂点に立てたのか? 吉沢親子から学ぶべき子育てのヒントとは? 子育てに関する取材を20年以上続ける筆者が、「才能を開花させる家庭に共通する教育方針」を紹介します。(文/鳥居りんこ)

● 子の才能を開花させるために親がすべきこと

 現在開催中のパリ五輪。スケートボード・ストリートでは男女ともに日本勢が金メダルを獲得した。とりわけ、女子は14歳の吉沢恋選手が金メダル、15歳の赤間凜音選手が銀メダルと10代の若い力が躍動したことは記憶に新しい。

 特に吉沢選手の中学生とは思えないほどのしっかりとした受け答えに感心した人は多かったようで、彼女の成育環境にも注目が集まった。

 吉沢選手の父・功さんは練習環境を整えるために、保育士から時間の融通が利く介護職へ転職して娘を全面サポート(7月29日 朝日新聞)。送り迎え、練習の付き添い、さらには海外遠征費の半分を自己負担するなど、物心両面で吉沢選手を支えてきたという。

 しかし、いかに才能に恵まれていたとしても全てが順風満帆というわけではなかったようだ。

 各種報道によると、吉沢選手は小学校を卒業したら「引退」するつもりだったそうだ。転べば痛いし、怪我もする(事実、昨年6月のローマでの大会では硬膜外血腫という大怪我をしている)。その頃までは「やらされている感」もあったという。

 中学入学後「テニス部に申し込んできた」と告げた娘に功さんから出た言葉がある。

 「やめるのはいつでもやめられる。1回やめたら、またそこから始めて続けるのは大変だよ。自分のためになるから続けてごらん」(7月30日 NumberWeb)

 その真意は「けがと隣り合わせのスケボーは、技を決めるために勇気を振り絞って挑戦しなければならない。それは社会に出ても同じ。恐怖に打ち勝って1歩を踏み出さないと、やりたいことはできない。それを経験できるのは貴重」ということのようだ(7月30日 日刊スポーツ)。

 功さんは、子どもたちがお遊戯会や発表会で練習通りに力を発揮するにはどうすればよいかをいつも考えていた。「娘のコンディションをいかに上げて本番にもっていくかしか考えていない」(7月30日 日刊スポーツ)とインタビューに答えている。

 金メダルに輝いた吉沢選手は、練習をサポートしてきた功さんに対し「自分がパリで一番高いところに立てたよと言いたい」と感謝を口にした。オリンピックという大舞台で活躍するためには、個人の努力も当然だろうが、未成年であるならば、一番傍にいる親のサポートがいかに大切なのかが窺い知れるエピソードであろう。

 このような超一流のメダリストの親でなくとも、子育てには愛情と献身が必要だ。しかし、親も人間。子どもとの関わり方に自信が持てなくなったり、何が正解かが分からず悩み、日々、手探りのような状況に陥っている人のほうが多数派だ。

 筆者は20年以上にわたって子育て関連の取材をしているが、我が子の何らかの才能を開花(例えば、スポーツ・芸術・勉強など)させたご家庭にはある共通点があるように感じている。