「ふだんは会社勤め」「家族、恋人はいません」「楽しみはこの格好で飲みにいくこと」“街で見かけると幸せになる”と噂の“セーラー服おじさん”にインタビュー。過去に入店拒否をされたことも…

AI要約

セーラー服おじさんの正体は、早稲田大学理工学部数学科の修士課程を修了したエリートビジネスパーソンで、35年間ソフトウェアエンジニアとして勤務していた。

彼のセーラー服姿は都市伝説となり、街中で写真を撮られることも多かったが、それが幸せをもたらす存在として認知されるようになった。

現在はリモートワークが主流で、ほぼ毎日セーラー服で過ごしているが、以前は上司に許可を取りたがるほどの熱意を示していた。

「ふだんは会社勤め」「家族、恋人はいません」「楽しみはこの格好で飲みにいくこと」“街で見かけると幸せになる”と噂の“セーラー服おじさん”にインタビュー。過去に入店拒否をされたことも…

「街で見かけると幸せになれる」と噂される“セーラー服おじさん”こと小林秀章(こばやし・ひであき)さん(61)。その正体はなんと、早稲田大学理工学部数学科の修士課程を修了したのち、印刷会社で35年間ソフトウェアエンジニアとして勤務している“エリートビジネスパーソン”だった。小林さんは、死ぬまでセーラー服を着続ける予定なのか? 現在の私生活や老後のプランなど、セーラー服おじさんの素顔に迫る。

この日、記者は取材場所である集英社ビル付近で、“セーラー服おじさん”こと小林秀章さんを待ちわびていた。

すると、オフィス街をセーラー服姿で颯爽と歩く男性が目に入った。そのインパクトの強さは、遠目からでも十分に伝わってくる。

街行く人々の視線も、セーラー服おじさんに集中していた。「あれ、有名なセーラー服おじさんじゃない?」「すげぇ! はじめて本物見た!」と立ち止まって話す若者もいた。

「街で見かけると幸せになれる」といった都市伝説まで作り上げたセーラー服おじさんとは、いったい何者なのだろうか。まずはセーラー服を着るようになったきっかけや、私生活について詳しく聞いてみた。

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–––––現在は東京都中野区にお住まいとのことですが、その格好でここまで来られたんですか?

小林秀章さん(以下、同)  はい。もちろん、家からこの格好で来ました。仕事で出社するとき以外は、常にこの服を着ています。私の中で、この姿を「A面」、仕事に行くときの服装を「B面」としています。

–––––ふだんは会社勤めとのことですが、出社の際はどんな格好をしているのですか?

出社するときは、ジーンズなどすごくラフな格好をしています。エンジニア職で、社外のお客さんに会うこともないので。

でも「セーラー服姿でどこへでも行ってやろう」と思っているので、本当は会社にもこの格好で行きたいんですよ。それで、上司に「セーラー服で出社させてくれないか?」と何度かお願いしたんですが、許可が下りなくて。

とはいえ、コロナ禍以降はほぼリモートワークなので、出社は滅多にしていません。だから、今はほぼ毎日「A面」で過ごしていて、「B面」になることは数ヶ月に一度くらいです。

–––––小林さんは「街で見かけると幸せになる」と言われていますが、これはなぜでしょうか?

セーラー服を着て出歩き始めたころ、よく街中で盗撮されて、Twitter(現X)に写真が拡散されていたんです。当時は盗撮した写真を勝手にSNSへ投稿する人が、今以上に当たり前のようにいましたから。

ある日、Twitter上で私の写真とともに「セーラー服おじさんを見かけたら幸せになる」というコメントが投稿されたんです。それが女子高生を中心にバズって、「セーラー服おじさん=縁起物」みたいになったんです。

それからは、多いときで1日50人くらいから「写真を撮ってほしい」と言われるようになりました。大阪の「ビリケンさん」になったような気分でしたね。

街でたまたま出会った妊婦さんに「元気な赤ちゃんが産まれてくるように、お腹を撫でてください」とお願いされたこともありますね。でも最近は、1日1人くらいしか声をかけられなくなりました。