犬に餌や水与えず衰弱させた疑い 埼玉の元ブリーダーと娘を書類送検

AI要約

埼玉県警が元ブリーダーの男(81)とその娘(40)を動物愛護法違反で書類送検。娘は予防注射を怠った疑いも。虐待を受けた犬が発見された。

男は過去に3匹の飼い犬を密閉したかごに閉じ込めて窒息死させ、罰金40万円の略式命令を受けていた。男は動物販売業を営み、179匹の小型犬や13匹の猫を飼育していた。

150匹の犬や猫が保護され、保護活動が続けられている。

犬に餌や水与えず衰弱させた疑い 埼玉の元ブリーダーと娘を書類送検

 繁殖させていた犬を虐待したなどとして、埼玉県警が1日、いずれも埼玉県毛呂山町、元ブリーダーの男(81)とその娘(40)を動物愛護法違反(動物虐待)の疑いでさいたま地検川越支部に書類送検したことがわかった。

 捜査関係者によると、2人は共謀し5月12日、自宅敷地内にある飼育場で犬1匹に餌や水を与えずに、衰弱させた疑いがある。また娘は、動物取扱責任者として登録されていたが、昨年4~6月、飼い犬2匹に対し、1年に1度の注射が義務づけられている狂犬病の予防注射を受けさせなかった狂犬病予防法違反の疑いもある。娘は「父に金がかかると言われた」などと供述しているという。

 虐待を受けていた犬は「ジャックラッセルテリア」のメスで、ケージにはバツ印が書かれたガムテープが貼り付けられていた。印は男がつけていたとみられ、男は「繁殖に使えなくなったいらない犬で、餌をあげる必要がない犬に印をつけていた」「お金の節約のためだった」などと県警に説明しているという。

 男は6月27日、飼い犬3匹をビニール袋などで密閉したかごに閉じ込め窒息死させたとして、県警に動物愛護法違反(殺傷)の疑いで逮捕され、川越簡裁から7月17日、罰金40万円の略式命令を受けていた。

 県警生活経済課によると、男は当時、動物販売業を営んでおり、主に小型犬を繁殖させ、オークションで販売していた。飼育場では小型犬179匹と猫13匹が飼育されていたという。

 県生活衛生課によると、これまでに動物の譲渡活動をしているボランティア団体などの協力を得て、飼育されていた犬や猫約150匹を保護した。県は今後も保護活動を続けていくという。(恒川隼、浅田朋範)