専用が必要?「EVのタイヤ」について知っておくべきこと(後編)

AI要約

EV向けに開発されたタイヤを選ぶ際には、EVの特性や求める性能を考慮する必要がある。

タイヤメーカーによっては、EV向けに開発されたタイヤを明確に表示しているものもある。

タイヤの名称やサイドウォールの表示から、EV向けタイヤを見分けることができる。

専用が必要?「EVのタイヤ」について知っておくべきこと(後編)

前編で述べたように、電気自動車(EV)は同等の内燃エンジン車よりも、車両重量が重く、発生するトルクが大きい。重いバッテリーとパワフルな電気モーターを搭載しているからだ。このような特性から、タイヤにはより多大なストレスがかかる。それはタイヤの消耗や乗り心地、トラクション(タイヤと路面の間における粘着摩擦)に影響するため、タイヤを交換する際には、さまざまな疑問が生じる。

EVに純正装着されたタイヤを交換する際のタイヤ選びに関して詳しく知るために、筆者はタイヤ通販会社として独自にタイヤの評価・調査を行っているタイヤトラック社のインフォメーション&テスト・マネージャー、TJキャンペルに話を聞いた。以下は前編に続く残り3つの質問とその回答だ。

──消費者はどうやって、そのタイヤがEV向けに開発されたものであると、見分けることができるのだろうか?

「どんなタイヤでも、そのクルマが要求する荷重、空気圧、速度に適合していれば、EVでも使用可能であると覚えておくことが重要です。EVに乗っているからといって『EV専用』タイヤが必要なわけではありません。そのような、よりEVに焦点を合わせて開発された(可能性のある)タイヤが、あなたがEVに求めている特性を提供することはあるかもしれません。しかし、交換用タイヤとして販売されているより幅広い製品の中には、もっとあなたに適した製品があるかもしれません。それは本当に、あなたが求める優先順位と各タイヤが提供する特性によるのです。

当社が2024年に行った最初のテストでは、テスラの『モデル3パフォーマンス』をテスト車両として使い、3つの異なるカテゴリーのタイヤを比較しました。それらの中には、EV用タイヤとそうでないタイヤも含まれています。我々は、道路上での特性や、濡れた路面におけるトラクション性能、渇いた路面におけるトラクション性能、そして電力消費率/航続距離(満充電のバッテリーで走行可能な距離)を比較しました。2025年の初頭には冬季テストも行う予定です。

さて、ご質問の件ですが、一般的にタイヤの名称が大きな指標になるでしょう。例えば、グッドイヤーの『ElectricDrive GT』やピレリの『P Zero All-Season Plus Elect』、ブリヂストンの『Turanza EV』、ミシュランの『Pilot Sport EV』などです。同様にハンコックタイヤの『iON』シリーズのタイヤもすべてEV向けに開発されたものですね。

もう少し控えめに表示されているものもあります。コンチネンタルタイヤは、タイヤのサイドウォールに『EV Ready』の印を入れるようになりました。ピレリは『Elect』を正式な製品名の一部に含めるのではなく、小さなロゴを印字するというやり方でブランド化しています。