アイドルがツーショット誤爆、「彼氏と一定の距離を置く」罰に従わないとダメ?

AI要約

アイドルグループ「KATACOTO*BANK​(カタコトバンク)」は7月27日、メンバーの一人が彼氏とのツーショット写真を誤って個人のXに投稿したことで、おやすみ写真の投稿を義務付ける処分を決定した。

アイドル業界における恋愛禁止や体重管理とは異なる「罰」としての措置について法的問題は生じにくいが、本人との折り合いがつかない場合は契約上の義務としては問題がある。

法律上の義務とルール違反には区別があり、マネジメント契約の解除や損害賠償責任には難しさがある。

アイドルがツーショット誤爆、「彼氏と一定の距離を置く」罰に従わないとダメ?

アイドルグループ「KATACOTO*BANK​(カタコトバンク)」は7月27日、メンバーの一人が彼氏とのツーショット写真を誤って個人のXに投稿したとして、「おやすみ写真の投稿」を毎日義務にすると発表した。

グループのXに投稿されたお知らせは、「アイドルとして意識を欠いたありえない行為として厳重注意をし、本人と相談の上、下記の処分を決定しました」と説明。

「今後、彼氏とは一定の距離を置く」ことに加えて、「罰として今後1年間、毎晩寝る際には必ず”1人でおやすみ写真”を投稿する」ことを義務として課すと公表した。

アイドル業界では恋愛禁止を求められたり体重を管理されたりするケースがあるが、今回のような「罰」は法的に問題ないのだろうか。芸能問題に詳しい河西邦剛弁護士に聞いた。

義務付けることについて法律的な問題は生じにくいと言えます。同時に、それに従わないことにも法律的な問題は生じにくいと言えます。

まず、今回のケースで本人が納得しているのであれば、彼氏との距離制限や毎日の投稿は実質的にプロモーションやマーケティングの一貫であり、「罰として」と発表しているものの法的に義務付けているとは言えないからです。

ライブアイドル業界は競争が激しいので、ファンにとってネガティブな事象であってもそれをきっかけに注目を浴びるようなプロモーションに変えていくことが運営にとって結果的に成功につながるケースもあります。

ただ、仮に本人と折り合いがつかない場合に、契約を根拠に義務付けることができるかという問題があります。

結論的には、その場合は義務付けることはできません。

たとえば、恋愛禁止のルールがあるグループは少なからずあります。ただ、ルールと法律上の義務は違います。

つまり、法律上の義務と言うのは、法律上の効果を発生させることであり、それに対してアイドル側のルール違反については損害賠償責任を負わせることやマネジメント契約を一方的に解除することは難しいです。