栃木の児童虐待、上半期263件 ネグレクト過去最多33件 県警

AI要約

2024年上半期に栃木県警が認知した児童虐待件数と人数が前年を上回り、特にネグレクトが最多となった。

事件として検挙された件数は少なく、殺人未遂事件が発生し、県警は対応を強化している。

県警は地域の協力が重要であり、一般の人々にも警察への連絡を呼びかけている。

栃木の児童虐待、上半期263件 ネグレクト過去最多33件 県警

 2024年上半期(1~6月)に栃木県警が認知した児童虐待は263件(前年同期比7件減)、子どもの人数は371人(同20人減)だった。件数、人数のいずれも、統計が開始されて以降最多だった23年に次ぐ水準で、県警生活安全部は、悲惨な虐待死が後を絶たず社会的関心が高まっていること、体罰は虐待だという認識が浸透したことなどを要因に挙げた。

 内訳は、暴言や脅し、きょうだい間の扱いに著しく差をつける、目の前で配偶者に暴力を振るう――などの心理的虐待が159件(246人)▽身体的虐待が67件(73人)▽ネグレクトが33件(46人)▽性的虐待が4件(6人)。このうちネグレクトは前年同期(25件38人)を上回り、統計開始以来最多となった。

 事件として検挙された件数は11件で、暴行・障害5件▽監護者わいせつ3件――など。21年以来3年ぶりに殺人・殺人未遂が2件発生した。母親が無理心中を図り4歳と2歳の兄弟が死亡した事件と、母親が小学生の子どもの首を絞めた事件で、県警は「子どもの安全確保を最優先に、対応に万全を期したい」と話した。緊急性の高いケースは認知段階から検察、児童相談所と連携しており、24年上半期に3機関による聴取実施は12件(同4件増)あったという。

 県警の難波健太本部長は「地域の目が重要になる。一般の方々にも認識していただき、何かあれば警察につなげてもらうようお願いしたい」と話した。【藤田祐子】