競走馬のエサ代で月169万円…「特養」で相次ぐ不正流用 「内部をYESマンで固めて…」“監査の甘さ”突く悪質手口【報道特集】

AI要約

神奈川県・川崎市にある特別養護老人ホームで、前理事長が8億5000万円を横領していた事件が発覚。施設の運営資金が私的に流用される中、利用者のために最善を尽くしている施設の実態が浮かび上がる。

前理事長は高級車や競走馬にお金を使い、交際女性との豪華な生活を楽しんでいた。施設長は驚きと疑問を持ちつつも、前理事長の部屋を案内し、その奇妙な生活の痕跡をたどる。

事件の真相が明らかになる中、施設長は今後も利用者のために全力で施設を運営し、施設に心を寄せる利用者たちにとって居心地の良い環境を提供することを誓う。

競走馬のエサ代で月169万円…「特養」で相次ぐ不正流用 「内部をYESマンで固めて…」“監査の甘さ”突く悪質手口【報道特集】

特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人を舞台に、不正な資金の横領が相次いでいます。なぜ、特養が狙われたのか。横領の現場を取材し、その巧妙な手口に迫りました。

■交際女性に高級車・競走馬のエサ代まで…特養で前理事長が8億5000万円横領

神奈川県・川崎市に社会福祉法人「母子育成会」が運営していた特別養護老人ホームがある。自宅での生活が困難になった高齢者220人がここで生活を送っている。

特別養護老人ホームしゃんぐりら 田嶋裕一郎 施設長(51)

「ここの利用者の1人、女性の高齢の方が『死ぬ前にもう1回パチンコやりたい』と。副施設長とパチンコ屋に頼んで、何とかならないか掛け合って、メーカーさんから寄付して貰ったんです。施設に自分から入りたいという利用者さんっていないんですよね。その中で家族にはなれないけれど『この人たちにだったら、自分の最期の人生を託せる』『ここで良かったんじゃないか』と思えるような施設を目指しています」

ここで2023年3月まで約20年間にわたり母子育成会の理事長を務めていたA氏。

A氏が施設の運営資金を私的に流用していた事実が2か月前、明らかになった。

特別養護老人ホームしゃんぐりら 田嶋施設長

「なんでこんなことしてたんだろうということしかない」

A氏の隣に映るのは、妻ではない女性だという。さらに別の女性と旅行に行った時の写真も残されている。田嶋施設長が、前理事長A氏の部屋を案内してくれた。

記者

「理事長室ということは前理事長が使っていたところですか?」

特養ホームしゃんぐりら 田嶋施設長

「理事長室と名前は書いてありますけれども、前理事長はここを使っていたということは全くありません」

理事長室はあったが、A氏が施設に来ることはほとんどなかったという。A氏の持ち物が理事長室に残されていた。

特養ホームしゃんぐりら 田嶋施設長

「ちょっと思わぬものを見つけまして。(つい最近ですか?)はい、ついこの間です。おそらく所持していた競走馬にかける何かなんじゃないかなと思います」