〈兵庫県庁、2人目の自死を公表〉「弔慰金集めを“牛タン倶楽部”が妨害」なぜ阪神・オリックス優勝パレード担当課長の死は徹底隠蔽されたのか?

AI要約

兵庫県で行われた阪神・オリックスの優勝パレードの準備を担当した50代の県課長が自死し、その事実が3ヶ月後に職員に明かされた。

斎藤元彦知事の体制下での告発文書を送った元西播磨県民局長も自死し、知事と側近グループの違法行為疑惑に対する弾圧が行われていた。

告発文書には優勝パレードに関する違法支出の疑いも記載されており、それを担当した課長が精神的に追い詰められうつ病を発症したとされる。

〈兵庫県庁、2人目の自死を公表〉「弔慰金集めを“牛タン倶楽部”が妨害」なぜ阪神・オリックス優勝パレード担当課長の死は徹底隠蔽されたのか?

大阪府と兵庫県が昨年11月に行った阪神・オリックスの優勝パレード。兵庫県でその実施準備の中核となった50代の県課長・Bさんが今年4月に自死した。県は7月23日、死去から約3ヶ月経ってようやくその事実を県職員たちに明らかにした。それまでBさんの死は隠蔽を徹底するよう同僚にも圧力がかけられ、それは兵庫県中枢の一連の疑惑の“本丸”といえる問題に直結するからだと関係者は話す。

兵庫県の斎藤元彦知事の体制下では、知事と“牛タン倶楽部”と陰で呼ばれる側近グループの違法行為疑惑を7つ挙げた告発文書を3月にメディアなどに送った元西播磨県民局長Aさん(60)が7月7日に自死している。

知事と牛タン倶楽部はこの告発文書の内容を「嘘八百」と断じ、公益通報者保護法で守られるべきAさんを不満分子扱いして懲戒処分するなど、徹底的に弾圧していた。(♯4)

このAさんが告発文書の6番目に書いたのが「優勝パレードの陰で」と題した問題だ。

「令和5年11月23日実施のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードは県費をかけないという方針の下で実施することとなり、必要経費についてクラウドファンディングや企業から寄附を募ったが、結果は必要額を大きく下回った。

そこで、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。幹事社は〇〇信用金庫。具体の司令塔は片山副知事、実行者は産業労働部地域経済課。その他、××バスなどからも便宜供与の見返りとしての寄附集めをした」(※伏字は原文では実名)

事実なら県補助金の違法支出や公金横領になる重い内容だが、この資金集めを担当したのがBさんだった。告発文書は続ける。

「パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気療養中」

文書が指摘する信用金庫への県補助金というのは、県の令和5年度12月補正予算で4億円が計上された「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」だ。

金融機関から無利子・無保証融資(ゼロゼロ融資)を受けた4300の中小事業者に7万5000円~10万円を支援する内容で、県は金融機関に補助金を出す形になる。