住民を悩ませる“黄金のペットボトル” 中身は尿? 夏は破裂の危険性も…国道に標識を設置【宮城発】
多賀城市の県道で住民を悩ませる黄色い液体が入ったペットボトルが問題となっている。
トラックドライバーがペットボトルに尿を入れ、ポイ捨てする行為が広まっている。
宮城県内各地でこの問題が発生しており、住民や関係機関が対策を訴えている。
宮城県多賀城市の県道で住民を悩ませている黄色い液体が入ったペットボトル。車のドライバーが尿をペットボトルに入れて、ポイ捨てしているのではないかとみられ、各地で問題となっている。
住民がボランティアでごみ拾いをしている多賀城市内の県道35号線。取材をした前の週にも“黄金のペットボトル”を拾ったという。撮影した画像を見せてもらうと、黄金というよりは黄色く濁った液体…。毎朝のように、何本も捨てられているそうだ。
落ちているのは、中央分離帯の草が生えている場所。住民がペットボトルの中身を草むらに空けてみると鼻につくようなアンモニア臭がしたという。
取材班も辺りを探してみると、べっこう飴のような液体が入ったペットボトルを見つけた。ラベルはお茶ではないため、中身は違うもののようだ。記者が臭いをかいでみると、飲み物の臭いとはとても思えない臭いがした。
こうしたペットボトルは今、宮城県内各地で問題になっている。
去年、白石市の国道で行われた清掃活動では3日間で43本が見つかった。仙台河川国道事務所は、トラックのドライバーがトイレ休憩の時間を省くためや荷物の積み下ろしで長く待たされる間に、ペットボトルで用を足しているのではないかと“原因”を推測している。
休憩中のトラックドライバーに話を聞いてみると「常識的に考えられない。止まることもできないくらい忙しいのかなと不思議に思う」「やめてほしい。気持ち悪い」などと批判的な声が多かった。多くのトラックドライバーは、一部のドライバーの行為に迷惑を受けているというのが現状のようだ。
国は主要な国道にペットボトルが描かれた標識を設置し、ポイ捨て禁止を呼びかけているが、仙台河川国道事務所には今も「なんとかしてくれ」という地域住民からの苦情の電話があるという。
暑い夏にはガスがたまり、破裂するおそれもあるという尿入りペットボトル。
運転手のモラルに頼るしかないのが現状だが、住民の我慢はすでに限界を迎えている。