武宮陽光理事長「粉骨砕身、頑張っていきます」日本棋院創立100周年記念式典

AI要約

日本棋院創立100周年記念式典が行われ、武宮陽光六段が新理事長に就任した。財務改善、棋戦改革、普及活動などが課題であり、厳しい課題に取り組む決意を示した。

祝賀会では川淵三郎相談役や羽生善治九段が登壇し、世界で活躍する棋士を育成する重要性や囲碁の歴史と文化について述べた。また、井山裕太3冠は柔軟な姿勢と将来に向けた展望を示した。

武宮陽光理事長「粉骨砕身、頑張っていきます」日本棋院創立100周年記念式典

 日本棋院の創立100周年記念式典が17日、東京都港区の「ホテルオークラ」で行われた。100年前のこの日、発足。以来、日本の囲碁界を関西棋院とともに引っ張ってきた。

 先週9日に理事長に就任したばかりの武宮陽光六段(47)は、「粉骨砕身、頑張っていきます」の式辞が「施政方針演説」となった。

 「赤字続きの財務状況の見直し、棋戦の改革、囲碁の普及、ファンやスポンサーの拡大など、問題が山積みですが、頑張っていきたい」と話した。厳しいかじ取りを任されたが、営業と財務が当面の課題になる。

 式典に続いて行われた祝賀会では、来賓として今春まで日本棋院評議員を務めていた日本サッカー協会(JFA)の川淵三郎相談役(87)が登壇。「世界へはばたく棋士が出てほしい」と要望した。また、同じく来賓の日本将棋連盟会長・羽生善治九段(53)は「歴史と伝統の中で独自の文化を作り上げた。多様性と可能性を感じさせる。『棋は対話なり』で、人工知能(AI)による技術が進んでも、人と人とのコミュニケーションは変わらない」と述べた。

 棋士代表としてあいさつした井山裕太3冠(王座・碁聖・十段=35)は、「受け継がれてきたものを大切にしつつ、変化に柔軟に対応していく姿勢が必要。少しでもいい方向にむかっていけたら」と、先を見据えた。