火災で焼失した首里城正殿の復元工事、赤瓦約6万枚を年内に…瓦ぶき作業「ゆいまーる」の精神で

AI要約

2019年10月の火災により焼失した首里城正殿の復元工事が進行中。赤瓦を使用し、屋根の瓦ぶき作業が始まった。

赤瓦の原料には火災で破損した瓦を再利用し、職人が丁寧に作業を進めている。

正殿の復元工事は2026年秋の完成を目指して進められている。

 2019年10月の火災により焼失した首里城正殿(那覇市)の復元工事で、屋根の瓦ぶき作業が15日、現地で始まった。年内をめどに、首里城を象徴する赤瓦約6万枚で屋根の大半が覆われる見通しだ。

 赤瓦の原料には、火災で破損した瓦を細かく砕いた粉末や、「クチャ」と呼ばれる鉄分を含んだ泥岩、赤土を使っている。15日は、風雨を避けるための仮設の建物「素屋根」内で、職人約10人が骨組みされた屋根の軒先部分に1枚ずつ丁寧に瓦ぶきを進めた。作業に携わる島袋瓦工場(沖縄県与那原町)の島袋拓真専務は「県内外から集まった職人と『ゆいまーる』(助け合い)の精神で、長く残る素晴らしいものをつくりたい」と語った。

 火災では正殿や北殿など7棟が全焼し、奉神門など2棟が一部焼損。正殿の復元工事は22年11月に始まり、漆の塗装などを経て26年秋の完成を予定している。