大雨で県道が崩落した出雲市・日御碕地区、観光シーズンの「夕日の観賞スポット」閑散

AI要約

島根県出雲市の日御碕地区が大雨で孤立状態にある。夕日の観賞スポットとして知られ、観光シーズンには多くの観光客が訪れるが、県道崩落により影響を受けている。

地元民宿やビジターセンター、土産物店などが打撃を受けており、休館や閉館を決定。観光関連事業者が経済的な困難に直面している。

営業できずに経済的な損失を受けている地元の事業者に対する支援策が必要とされている。

 大雨の影響で県道が崩落し、孤立状態が続く島根県出雲市の日御碕地区は、県内有数の夕日の観賞スポットとして知られる。夏の観光シーズンは例年多くの観光客でにぎわうものの、県道は復旧の見通しが立っておらず、関係者らが気をもんでいる。

 「1時間でも早く通れるようになってほしい。うちにとっては死活問題だ」。13日、同地区の「民宿ちどり荘」の女将、阿部博子さん(73)は、悲痛な思いを口にした。

 同民宿はおわし浜海水浴場に面し、7~8月はかき入れ時だ。コロナ禍が明けて2度目の夏を前に受け入れ態勢を整えようと、6月下旬に休憩や食事などができるあずま屋を数十万円かけて整備したばかりだった。

 3連休の初日となったこの日も、当初は30人前後の利用予約があった。だが県道の復旧見通しが立っていないことから、予約客に電話して事情を説明して断ったという。阿部さんは「営業できない分の給付金のようなものがあれば」と話す。

 地元の民宿やグランピング施設、土産物店に野菜や食品などを配達してきた蒲生商店も打撃を受けている。本来であれば忙しい時期となるが、店頭に立つ蒲生芙美子さん(81)は「かき入れ時なのに注文も入らない」と嘆いた。

 また、観光ガイドの拠点になっていた日御碕ビジターセンターは、崩落を受けて当面の間の休館を決定。出雲日御碕灯台近くの宿泊施設も、24日までの閉館をすでに決めた。予約客に順次事情を説明しており、施設の運営会社は「県や市などとやりとりしながら今後を決める」としている。