【プレイバック’14】ガードレールに腰掛ける素人女性が…新宿歌舞伎町・10年前の〝交縁女子〟たち

AI要約

10年前の’14年7月4日号に掲載された記事では、新宿歌舞伎町の大久保公園周辺で素人女性が売春行為を行う状況が報じられている。

記事には、公園周辺で男性が女性を待ち、交渉が成立するとホテルに移動する様子や、小遣い稼ぎが目的の女性たちの姿、さまざまな職業の女性が売春行為に関与する背景が描かれている。

現在は警察の取り締まりも強化され、路上売春は下火になっているが、歌舞伎町の歴史から考えると、女性たちの姿がなくなることはない可能性がある。

【プレイバック’14】ガードレールに腰掛ける素人女性が…新宿歌舞伎町・10年前の〝交縁女子〟たち

10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックをいまふたたび振り返る【プレイバック・フライデー】。今回は10年前の’14年7月4日号掲載の「看護師やキャバ嬢が小遣い稼ぎにベンチに座り…新宿歌舞伎町『素人ナンパ売春』こんな簡単でいいのか」をお届けする。

コロナ禍以降、新宿歌舞伎町・大久保公園周辺で「立ちんぼ」女性が激増。彼女たちは’22年ごろには〝交縁女子〟と呼ばれるようになり社会問題化、大久保公園は観光客が集まるような有名スポットとなった。そんな大久保公園の10年前の様子を伝える記事だ(以下《 》内の記述は過去記事より引用)。

◆「素人女性が売春行為を行っている」

《週末の夜8時、20代後半と思われる女性が1人また1人と現れる。東京・新宿区歌舞伎町にある区立公園。フェンスに覆われ、夜間は公園の中に入れないが、女性たちは周囲を囲むガードレールに腰掛け、スマホをいじり始めた。「この場所でここ最近、素人女性が売春行為を行っている」そんなウワサを聞いた本誌記者は、真偽を確認するために駆けつけた。》

そこで本誌記者が見たのは冒頭のような光景だった。15分後に女性は年増の外国人女性を含め4人となり、それに呼応するかのように男たちの姿も増えてきた。彼らは公園の周囲をグルリと回って女性たちを品定めしているようだ。やがてサラリーマン風の30代ぐらいの男が1人の女の横に座り、3分ほど談笑したかと思うと、連れだって近くのラブホテルへ消えていった。ウワサは本当だったのだ。

《「昨年12月、この公園周辺で売春目的の女性が24人も逮捕されました。彼女たちは裏組織に1日5000円のショバ代を払い、毎日のように路上に立っていたプロ。彼女たちが一掃されて静かになったと思ったら、素人女性が目につくようになった。小遣い稼ぎが目的で、みんな月に数日しか来ない。プロに比べて数が少なく、いつ誰がいるのかもわかりません。しかも、彼女たちのほうから男性に声をかけることは絶対にないのです」(新宿のウラ事情に詳しい飲食店店員)》

交渉がまとまった男女が消えると、別の女性が入れ替わるように現れる。記者は20代半ばと思しき黒髪ロングの優香似女性に声をかけてみる。

《「遊べるの?」

そう言った瞬間、彼女は笑顔で商談を切り出してきた。

「2(万円)くらいお小遣いが欲しいんだけど、大丈夫ですか?」

あ、本当に遊べるんだ。でも高い……。少し彼女と雑談してみると、看護師で27歳だという。

「今日、友達と買い物してお金を使いすぎちゃったから、その補填なんです」

「イチゴーでは?」

「それは無理です」

ぜひともトライしたいところだが、2万円+ホテル代5000円は痛い。とても払えないと伝えると、彼女はまたスマホでゲームを始めてしまった。》

彼女はその後に声をかけてきた男と消えてしまったが、1時間後、記者は茶髪の女性に「飲みに行かない?」と声をかけてみることに。

《「オゴりならいいよ」

彼女は22歳。地元の埼玉でキャバ嬢をしているという。居酒屋で彼女はココに来るようになったワケを教えてくれた。

「ホストクラブで遊んでいる女友達をこのあたりで待っていたら、オヤジに声をかけられて、飲みに行っただけなのに5000円もらえた。そのときにココがどういう場所なのか教えられたの」

以来、月イチのペースでいるという。

「10分もいれば2~3人に声をかけられるよ。イチゴーでもOKだけど、キスは NG。泥酔してたり、汗臭いデブとか汚いファッションのオジサンは無視する」》

彼女の見かけは今どきのフツーのコ。巡回する警察官も、彼女を見て通り過ぎて行くという。10時すぎに居酒屋で別れると彼女はまた公園に戻っていった──。

歌舞伎町の喧騒から少し外れた大久保公園周辺の暗がりに立つ女性は昔から存在した。だが、’90年代、新宿の立ちんぼのメッカといえば、外国人が立つ新大久保のラブホテル街だった。’00年ごろから大久保公園周辺にはしばしば援交目的や〝神待ち〟の家出少女の姿が見られたというが、女性たちの姿が目立つようになったのは’10年代に入ってからだ。記事にもあるように〝組織〟の後ろだてがなくなったことで〝素人〟がふえたようだ。

’23年、警視庁は大久保公園周辺の取り締まりを強化し、前年の3倍近い140人の女性を客待ちをしたとして逮捕。ほぼ毎日のように警官がパトロールしていたために〝交縁女子〟は一時期壊滅状態に陥っていた。だが、取り締まりが比較的緩くなってきた2~3月ごろから、再び姿を現し始めているようだ。4月下旬には現行犯ではなく、初めて「過去の客待ち行為」で28歳の女性が逮捕されている。

現在では警察の摘発を怖れて新規に公園に立つ女性は少なく、大半が昨年からいる〝常連〟なのだという。着実に路上売春は下火になっているようだ。だが、これまでの歴史をみると、路上の女性たちの姿がこの歌舞伎町の暗がりからなくなることはないのかもしれない。