福岡交通圏ライドシェア1か月「想定以上の利用」…ドライバー「いろんな人に会え楽しい」

AI要約

福岡交通圏で始まった日本版ライドシェアが1か月経過し、タクシー不足の解消に効果を発揮している。

個人が自家用車を使って有償で客を送迎するこのシステムは人気で、想定以上の利用が見られる。

福岡交通圏ではタクシー不足があり、毎日夕方から夜間にかけて260台の車両が運行を行っている。

 個人が自家用車を使って有償で客を送迎する「日本版ライドシェア」が、福岡市や周辺の8市7町で構成する「福岡交通圏」で始まって12日で1か月となった。タクシー不足の解消を目的に導入されたもので、運行を管理する複数のタクシー会社は「想定以上に利用してもらっている」と手応えを語る。(梅野健吾、橋本龍二)

 今月10日、福岡市南区のタクシー会社「双葉交通」の営業所には、待機するタクシーに交じり、ライドシェアで使われる高級ミニバンが並んでいた。

 この車を所有するドライバーの男性(41)は飲食店を経営する傍ら、週に3、4日程度、1日4~5時間ほどライドシェアの仕事をしている。「運転が好きで、趣味も兼ねてやっている。いろんな人に会えるのも楽しく、自分に向いている働き方だと思う」と語った。

 勤務時間中はスマートフォンに配車依頼が通知される。依頼はほぼ途切れることなく舞い込むといい、この日も車に乗り込んで数分後には営業所を後にした。

 双葉交通には、国土交通省から1日最大9台の枠が割り振られており、ライドシェア要員の運転手として9人を雇用。豊島明弘常務(37)は「これまでの運用は順調に進んでいる」と話す。

 日本版ライドシェアは、運行を管理するタクシー会社と雇用契約を結んだ個人が、自家用車やあんどんを外したタクシーを使い客を乗せる制度。客はスマホの配車アプリとキャッシュレス決済を使用する。

 運行はタクシーが足りない地域で特定の時間帯に限り行われる。4月から東京、京都など各地で順次スタートし、7月10日時点で16都道府県で導入された。

 福岡交通圏ではタクシーが最大520台足りないとされ、その半分にあたる260台を上限に夕方から夜間を中心に毎日の運行が認められた。6月12日に始まり、今月10日までに35事業者が運行許可を受けている。

 国土交通省によると、福岡交通圏では運行開始から6月30日までの約3週間で延べ171台が稼働した。