岸田政権と維新勢力が進める「金融・資産運用特区」は完全なる「売国政策」と断言できるこれだけの理由

AI要約

政府が設立した「金融・資産運用特区」は外資による日本企業への投資を促す取り組みであり、日本の経済成長と所得分配の好循環を目指している。

特区設定には外国企業による日本企業の買収・投資規制の緩和が含まれており、これにより外資が日本人の所得を吸い上げるリスクが高まる可能性がある。

外国企業による日本市場への進出を促進する特区設定は、日本国内産業や国益に影響を及ぼす危険性があるため、売国政策として批判されている。

岸田政権と維新勢力が進める「金融・資産運用特区」は完全なる「売国政策」と断言できるこれだけの理由

「金融・資産運用特区」なるものをご存じだろうか。政府・金融庁が、「資産運用立国実現プラン」なるものをつくり、この理念を実現するためにつくられた「特区」がそれだ。

先日、この特区について各自治体に公募をかけたところ、東京・大阪・福岡・北海道の4都市が「金融・資産運用特区」に選定された。

政府の狙いは、個人の金融資産を投資に向かわせ、その資金によって企業が成長し、さらにその恩恵が個人に還元されるといった「成長と分配の好循環」を実現することだそうだ。

しかし残念ながら、特区によってそういうバラ色の未来が訪れるとは到底考えられない。

もちろん、「超短期的」に考えるなら、この特区によって日本企業が資金を得て、ビジネスを拡大できるということはあるにはあるだろう。しかし、中長期的に考えれば、この特区の設置は「成長と分配の好循環」をむしろ阻害する他ない代物なのである。

つまり、有り体にいって、政府は特区によって「成長と分配の好循環」が訪れるのだという無根拠なウソを吹聴し、それに東京、大阪、福岡、北海道が乗ってしまったのである。

例えば、所謂「維新」勢力と岸田政権が強力に進めようとしている「大阪における資産運用特区」というのは、「海外の金融関連企業などの進出を促す規制緩和が認められる特区」となる予定だ。

したがって、この大阪の特区が運用されれば、これまで以上に外資が大阪に流入してくることになるのだが、これによって大阪の地場産業が低迷することとなると同時に、大阪の住民たちの所得がこれまで以上に吸い上げられることとなるのは必至だ。

以下、その理由を解説しよう。

まず、この特区は、外資が日本企業に「投資」しやすくする、というもの。具体的には、日本企業への投資の主要部は「株式買収」だ。外国勢の株式買収等の日本企業への投資には様々な規制が設けられているのだが、その規制が緩和されるということになる。そして株式の購入とは、所謂、企業の「買収」だ。

一方で、そもそも外国資本が企業買収を始めとした日本企業への投資をするのは、そうすることで「儲かるから」だ。儲からなければ、日本企業に投資などするはずもない。そして、外国企業が日本で儲けるということは、日本人の所得が吸い上げられるということを意味する。

例えば1億円を投資する(日本市場に1億円を投入する)のは、2億円や3億円儲かるからに他ならないわけだが、それはつまり、「日本市場から2億円や3億円を吸い上げる」ことを意味するからだ。

外国資本の流入は、日本人が所得を吸い上げられるリスクが高ければ高いほど、加速するのであり、逆にそのリスクが低ければ低いほど、少なくなっていくものだ。しかも、株主の影響力が年々拡大している現代の日本において、外国人株主が増えていけば、外国人による企業の経営に対する影響が拡大し、外国人によって企業経営がコントロールされるリスクが高まることとなる。

それは既に国益毀損リスクの拡大を意味するが、買収される企業が日本において公共的な意味を持つビジネスを展開している場合には(エネルギー、電力、放送、食料、医療等)、国益の毀損はさらに拡大することになる(そしてもちろん、用地買収・不動産買収も含めた外国企業の純然たる進出であればなおさらだ)。

こうした理由から、我が国では長年、外国人の投資・買収を規制し続けてきたのだが、それにもかかわらず今回の特区設定は、大阪において特別に外国企業による投資/買収規制を緩和して、外国人による投資・買収をどんどん加速させようとするものなのである。

すなわち、今回の特区設定は、「外国資本が日本企業の株を買うことで、その企業を使って、日本の各世帯や各企業からカネを吸い上げようとする」という外国企業のためのビジネスを、日本政府がわざわざ加速してあげようとするものなのである。

外資が日本人の所得をたっぷりと吸い上げる仕組みをわざわざ作り上げて、日本国の「成長」と日本国民に対する「分配」の間の「好循環」を作り出すことなど絶対にできない。日本経済に「外国企業」という寄生虫が大量に呼び込まれることで、我々の成長は鈍化し、我々の所得は下落していく他ないのである。

すなわちそれは、はっきりいって、単なる「売国政策」なのである。