AI時代に「存在感が薄まるリーダー」と「慕われて結果を出せるリーダー」の決定的な違い

AI要約

AI時代の人材育成において、サイバーエージェントが行っている"自走サイクル"文化とChatGPTの活用について話し合われました。ChatGPTを活用しきれていない人々への危機意識や、決断力の重要性についても触れられています。

自ら選択肢を見極め、決断することの重要性が強調されました。ChatGPTが提供する情報をもとに、選択肢を比較し、自らの意思で結論を導き出すことが大切であると述べられています。

AIを活用することで、"抜擢"と"決断"の速度を加速させることが可能であるという意見が述べられています。AIを利用することで、組織の成長や成功に不可欠な決定を迅速に下すことができると強調されました。

AI時代に「存在感が薄まるリーダー」と「慕われて結果を出せるリーダー」の決定的な違い

 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長/Musashino Valley 代表/LINEヤフーアカデミア 学長であり『1分で話せ』の著者・伊藤羊一氏と、IT批評家で『プロセスエコノミー』の著者・尾原和啓氏の共著、『努力革命』が5月に発売。重版が決定し、ますます話題を集めている。本の発売を記念して行われた、株式会社サイバーエージェント常務執行役員CHOの曽山 哲人氏と、『努力革命』の著者である伊藤羊一氏、尾原和啓氏の鼎談後編。AI時代の人材育成で、人間にしかできないことは何か?

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● AIは「抜擢」と「決断」の加速装置になる

 伊藤羊一氏(以下、伊藤):サイバーエージェントは、「自走サイクル」を回すのが基本行動になっています。だから、その文化にChatGPTがつくと、めちゃくちゃ強くなりますよね。

 曽山哲人氏(以下、曽山):そうなるように、がんばっています。

 伊藤:一方で、世の中の人たちは表面だけで、まだ活用しきれていない。自走サイクルが回っていなくて、ChatGPTも活用しきれないとなると、差が開いていきます。ChatGPTが差を助長しちゃうから、みんな危機意識を持ったほうがいいですね。

 尾原和啓氏(以下、尾原):より期待をかけられるようにしていくことが大事ですね。「失敗の数を増やそう」とよく言いますが、失敗の前には決断があります。決断は、期待をかけられた上で、自分で決めるからできるんですよね。

 曽山:そうなんですよ。抜擢と決断がない失敗はきついんですよね。それは、「お前、これやれよ」という上司の命令から始まるからです。「やれよ」と言われて嫌々やって、失敗した時に上司に怒られる。それだと、次は受け身になりますよね。

 伊藤:それはそうだ(笑)。

 尾原:そういう意味で言うと、ChatGPTは物事を分解してくれるから、自分で選択肢を増やせます。決断は「断つことを決める」ことだから、「ChatGPTが挙げてくれた5つのうち、1つ目と2つ目は80点だと言っているけど、3つ目の40点が僕の回答なんだ」と言って、断つことが決められます。

 AIを壁打ち相手にすれば、サイバーエージェントが組織でやっている、一番大事な「抜擢」と「決断」の加速装置や離陸路になりますよね。

 曽山:そう思います。